知磨き倶楽部

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【タイ】オミクロン株はタイの国境再開プランに影響を与えない

11月から東南アジアの各国では入国制限を大幅に緩和する動きが相次ぎ、人的移動の再開に向けて一段と動き出しています。タイではワクチン接種完了者に対しては11月1日から隔離を免除していますし、カンボジアも11月半ばから隔離免除へと移行しています。これらの動きを受けて、シンガポールも両国からの入国者に対しては特別扱いをするようですし(ワクチントラベルレーンの対象に追加)、11月29日からはマレーシアとの間で相互にワクチントラベルレーン(隔離なし)の運用を開始しています。

 

足元、突如としてオミクロン株と命名された新たな変異株が現れたことで、日本では外国人の受け入れ原則停止や、自国民ですら全員14日間隔離へと再度入国制限を強化しました。経済界からは失望の声も聞こえてきそうですが、今日はタイは現時点では入国制限を戻す気はない、という記事を読んでいきます。

 

www.bangkokpost.com

 

 

入国制限緩和の効果

タイでは、11月1日から、空路で入国するワクチン接種完了者は隔離免除(ただし到着時に受けるPCR検査の結果が出るまでは行動に制限あり)として国境を実質的に再開しました。観光業が経済の大きな柱の一つとなっている国だけに、外国人観光客が来易い環境というのは重要です。

「隔離免除」の効果は目に見えて現れているように見えます。

He said international travellers during the first 29 days of reopening numbered over 100,000, which doubled from three months of the Phuket sandbox. The figures proved that a quarantine-free strategy is the right way to attract tourists.

As the country recorded 200,000 tourists in the first 11 months, the ministry expected 300,000-400,000 tourists would visit Thailand by year-end, thanks to the winter season.

ほぼ1ヶ月で10万人以上の外国人観光客がタイに入国したようですが、この数字は年初からの11ヶ月間の数字の半分に相当しています。7月1日から「Phuket Sandbox」という限定的な入国制限緩和策を行っていましたが、このスキームでの入国者が3ヶ月間の運用で約5万人だったそうなので、今回の隔離免除という措置の効果の大きさは明らかです。

 

オミクロン株による不安

デルタ株によって長期にわたるロックダウンなどの影響に見舞われたタイなので、もちろん今回のオミクロン株に対する不安はあるわけですが、足元はワクチン接種をさらに進めつつ、外国人観光客の流入に伴いアルコール販売の制限緩和も行っていこうとしているように見えます(ただしカラオケなどの営業は今のところ許可されていません)。

現時点では外国人観光客側にも大きな影響は出ていないとしていますが、既にヨーロッパの多くの国でオミクロン株の感染事例が見つかってきている中、タイの思惑ではどうにもならない心配もあります。

TAT governor Yuthasak Supasorn said the new variant hasn't affected travel sentiment so far.

However, the European market has started to see slow bookings in December due to concern over another lockdown triggered by the spread of the new variant.

Phuket Sandbox期間中にも、英国でタイからの帰国者に強制隔離措置が課される決定が出たために、英国人が早期帰国をしたりキャンセルをしたりということが生じました。やはり観光客にとっての大きな懸念は、自国に戻った際の隔離、あるいはそもそも自国に戻れないという事態が起こることです。

 

個人的にはタイに行きたいと思っていたところなので(というか、Thailand Passの申請したらオミクロン株の報道ですよ。。)、本当に行っていいものかどうか、ものすごく悩んでいます。