知磨き倶楽部

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【タイ】弱いタイバーツは短期的に続くとの予測

海外不動産への投資を考える際、為替によるタイミングも重要です。不動産に比べると、あまりに短期的に動き、予測もつきにくいのが難しいところではありますが。

東南アジアの不動産の中で、考慮から外せない都市の一つがバンコク。経済のレベル・成熟度、都市の規模、中古市場の大きさなど、周辺諸国に比べると安心感があります。今は入国自体が容易ではありませんが、不動産に関する情報を見つつ、経済や為替の情報も追っておきたい。

 

今日は、先日の米連邦準備理事会における、従来の市場予想よりも早い利上げ可能性の報道によって下がったタイバーツの見通しに関する記事を読んでいきます。

www.bangkokpost.com

タイバーツの動向(対米ドル)

ここ1年ほどのタイバーツの動きを対米ドルベースで見ておきます。記事執筆時点(2021年6月23日14時頃)では、31.811と直近1年間での最低値を更新しています。

"We don't think the baht will fall to a 12-month low of 31.86 to the dollar."

と記事中に現地アナリストのコメントが載っていますが、あっさり割り込む可能性がありますね。

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USDTHB 為替レート - Bloomberg Marketsより) 

 

ただ、これを直近5年間で見てみるとグラフの印象が大きく変わります。

足元の方向としては弱含みでの推移が予想されるとはいえ、2019年以前から比べれば、相対的に強い(というかドルが弱い)状態だとも言えます。

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USDTHB 為替レート - Bloomberg Marketsより)

 

上記とは別の現地アナリストは、ここからもう少しバーツ安に動くという予想をしています。

Jitipol Puksamatanan, investment strategist at UOB Asset Management, forecasts the local currency could decline to 32-32.20 baht against the dollar in the third quarter this year, mainly because of the stronger dollar based on the assumption of a faster than expected Fed policy rate hike.

今年の第三四半期(7月~9月)が底で、THB32~32.20の水準の予想です。足元の為替から、1%~2%バーツ安になる可能性を見ています。

 

とはいえ、タイは7月1日からプーケットへの外国人入国条件の緩和を正式に決定しました。サムイ島なども7月15日からは同様の条件となるようです。

ワクチン接種のスピードは計画より遅れているようですが、もともと目標としていた今年10月に入国制限の緩和をさらに拡大する予定は変えていませんし、この10月の緩和には首都バンコクが含まれています。なので、第四四半期以降での回復見込みというのが市場予想の基調にあるように思います。

However, the baht is expected to gradually appreciate in the fourth quarter this year compared with the greenback, he said.

投資のタイミング?

僕は一時的に資産の大半がドル建てになっているので、バーツに対してドル高傾向を見せている今は、どうしても気になります。

行けないんですけどね(涙) 不動産はやっぱり現地に行って自分の目で見てみる、というプロセスを踏むのが原則だと思っています。

 

ただ、タイの不動産関係者に話を聞くと、中華系の方々からの問い合わせが増えてきているようで。現地を訪れず、仲介会社や開発会社への信用ベースで投資を決めていく。こういう時期に、そういう決断ができるのは、中華系の方々に多いような気がします。儲けそうですよね。。

 

現地の人たちに受け入れられているコンドミニアムで、安いものだとTHB3,000,000を切ります(ワンルームみたいな作りですが)。このご時世で値引き交渉にも期待が持てます。

なお、東南アジアで一般的なプレビルド方式(建設期間中に定期的に代金を支払い、決められた残額を引渡し時に決済する方式)の場合、為替が逆に動くと、予期せぬ投資額の増加を招きますので、ご用心。