知磨き倶楽部

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【タイ】バンコクはランキングで沈滞している

新型コロナウィルスによって世界的にリモートワークの動きが広がり、定着してきたように思えます。かく言う僕自身、最近では週に半分くらいしか出社しないで済ますようになり、社員を含めて「仕事=出社」という意識がずいぶんと変わってきました。

また、やむを得ない事情により1ヶ月以上国外に出なければならない社員がいたこともあり、完全リモートワークも期せずして試す機会がありましたし、僕自身も1ヶ月以上国外に滞在せざるを得ず、完全リモートワークをしなければならない状況に置かれ、意外と何とかなるものだと実感しています。

 

今日はそんなリモートワークに適した都市ランキングという調査結果を受けてのタイ(バンコク)についての記事を読んでいきます。

www.bangkokpost.com

 

 

WorkMotion社による調査

基記事のベースになっているのは、下記のサイトで紹介されているWorkMotion社の調査結果です。同社はオフィス拠点のない国での雇用や関連事務(給与計算とか税金とか)サービスを提供している会社のようです。HRTechとかに分類されそうな会社ですね。

www.workmotion.com

 

ランキング対象になっているのは80都市ですが、この80都市をどうスクリーニングしたのかが今ひとつ不明な印象。こういう人材紹介系の会社の調査に見られがちな傾向ですが、自社に登録している求職者(あるいは求人)の母集団によって、調査対象の母集団が偏る可能性には留意しておく必要があります。

 

アジアの都市は?

この手の調査ではヨーロッパ系の都市が上位に来ることが多いのですが、実際にそうなのか調査会社によるバイアスの結果なのかは僕には判断がつきません。


(基記事より転載)

 

ランキングの対象80都市中、アジアの都市は以下の6都市です。

9位:シンガポール

13位:東京

55位:チェンマイ

60位:香港

64位:バリ

68位:バンコク

 

ちなみに、アメリカの都市だけで20都市がランキングに名前が見られます。また、上記の画像にあるDublinは19位ではなく10位が正しいです。

 

なぜか基記事では黙殺されるチェンマイ

上述のとおり、ランキング対象80都市のうち、2都市(チェンマイバンコク)がタイの都市で、アジアでは唯一、ひとつの国から複数都市が入っています。

基記事はタイのメディアなのですが、なぜかチェンマイについては一言も触れられていません。バンコクには改善の余地もあるし、今後に期待が持てるみたいな煽り系の書き方。首都で経済の中心でバンコクを盛り上げようという意図は理解も出来ますが、なぜここまでチェンマイにガン無視を決め込むのか、外国人である僕には理解が難しいですね。

 

"The rise of remote working gives companies greater flexibility and choice when it comes to their workforce,"

これは調査を行ったWorkMotion社のCo-founderでもあるLebtig氏のコメントとして基記事で紹介されているものですが、同社のポジショントークを差し引いても頷けるポイントではあります。

ただ、実際には当初から完全リモートワークで採用を行うと、同じ会社の仲間というより外注先みたいなイメージになってしまいそうで、その辺がこれからの働き方を考える際に、文化的背景による、個人的に乗り越えるべき障壁なのかもしれないなとも思ってしまいました。