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【ベトナム】2021年のGDP成長率を3.5~4.0%と見込む

足下、近隣諸国と比べても遥かに厳しい統制を行いながら新型コロナ抑制に取り組んでいるベトナム。ピークアウトはしてきたように見えますし、ワクチン接種者を中心に行動制限を緩め始める方針を打ち出しています。肝心のワクチン接種は、当初完全に新型コロナの国内感染を押さえ込めていただけに出遅れ感が大きいですが。

 

そんなベトナムは、第3四半期のほとんどの期間が厳しいロックダウン下に置かれたことで、経済成長予測にも影響が出ています。今日は、ベトナム経済の先行き見通しに関する記事を読んでいきます。

vietnamnews.vn

 

 

2020年もプラス成長だったベトナム

ベトナム経済は、世界中の多くの国々が新型コロナによる行動制限による影響でマイナス成長を余儀なくされていた2020年においても、2.9%のプラス成長を達成しました。

国内における新型コロナ抑制の優等生として、日本でもよく報道されていました。水際対策をかなりきっちりやることで、国内の経済活動への影響を最小限にとどめてきたことが、年初の予測値(計画値)未達とはいえ、世界的に見てかなり優秀な結果に繋がりました。

 

2021年は二度目の計画値未達

2021年の春頃から、東南アジア各国でデルタ株の蔓延による新型コロナの国内感染が急速に拡大しました。ベトナムは当初こそ優等生らしく押さえ込めていたようでしたが、周辺他国にやや遅れて国内での感染拡大が確認され、社会主義国家らしくかなり激しい行動規制(ロックダウン)措置が導入され、工場や建設現場なども実質的に稼動ができない状態になりました(一定条件を満たせば稼動は認められていましたが、大半の工場や建設現場では充足できないレベルでした)。2021年9月15日にやや緩和の方針が示されたとはいえ、まだまだ経済活動の回復には時間を要しそうな見通しです。

 

そのため、ベトナム政府は、2021年のGDP成長見通しを3.5~4.0%と公表しました。これはもともと計画していた6.5%を下回るものになっています。それでも巡航速度ではなく、まだまだ達成には困難がありそうです。

This forecast is lower than the set target of 6.5 per cent this year, but achieving this level needs a huge effort, requiring more drastic actions of both the political system and localities.

 

ベトナム経済自体に悲観的な識者の意見は聞かれません。人口動態でも地政学の面でも、ベトナム経済の地位が高まっていくのは間違いないと思いますし、そもそも近隣諸国の中では初等教育の水準も群を抜いて高く、海外企業の参入も継続するでしょう。足下の新型コロナによる行動制限緩和と経済活動再開をどうコントロールしていくのかに注目です。

 

 

ちと古いのですが、やっぱり分かりやすさ、とっつきやすさではナンバーワンだと思います。