インドネシア: 2021年1Qのジャカルタ不動産市場は厳しい結果となった模様
インドネシアは大陸にないこともあって、個人的には心理的に遠い国です。
訪れる機会も多くないので肌感覚が持てませんが、報道を読む限りでは、首都ジャカルタの不動産市場は引き続き厳しい状況のようです。ただ、これはCOVID-19の抑制に苦しんでいる国は、どこも似たような状況にありそうですが。
英単語
"sluggish"は動きがのろいとか緩やかだという意味で、不振なとか不景気なとかの意味合いでも使われるようです。
"Jakarta's property market saw sluggish growth in the first quater of this year"
不動産市場の様子
経済全体としては、2020年は他の多くの国々と同様マイナス成長となったものの、2021年3月に公表された世界銀行の経済アップデートでは、2021年中に2019年の水準にまでGDPは戻るだろうと推測されています。
それでも、足元まだまだCOVID-19の感染状況が改善を見ているとは言いがたい中にあって、人々のモメンタムは上向いていない感じが記事から伝わってきます。
不動産市場も厳しい動きが続いているようです。
昨年来伝えて聞いていた中では、駐在外国人の帰国(後任なし)等により、駐在員向けのサービスアパートメント市場が冷え込んだり、オフィススペースの縮小などの動きが見られたようですが、継続しているようですね。
コリアーズのコメントとして引用されていますが、以前は2020年に不動産市場は底を打つだろうと見られていたところ、どうも長引いて底を見るのは2021年になりそうだと。
オフィス市場では、都心部以外での空室率が上がっていたり、賃料が下がっていたり。新規供給で床面積が3.37%増加するという予定も、賃料低下圧力の一つのようです。
アパートメント市場では、2021年第一四半期の成約件数が420件で、2020年の平均481件を下回ったということで回復の遅れを感じさせる記述ですが、価格は昨年同期比で変わっていないと。2020年4月~12月の動きを追えていない一読者としては、この情報だけではなかなか判断が難しいところですが。。
行動制限の影響が大きそうに読めるのが商業施設です。2021年第一四半期での新規オープンはなく、多くの開発業者が計画を遅らせている模様。客足は、平常時の30%~40%に落ち込んでいます。
不動産市場への対策として、政府は現在、VAT(付加価値税=日本で言う消費税に近い)の免除などのインセンティブをつけて、住宅購入を促す動きを取っています。
インドネシアは不動産売買価格のうち土地代に相当する部分にもVATがかかるので、開発業者がVAT免除分を購入者に丸々還元すれば、VAT相当の10%分の値引きとなるはずです(実際、そういうプロモーションで売っているような広告を見かけました)。
ただ、うまく機能はしていないという評価のようですね。
業界団体から、インセンティブの付与期間を2021年12月まで延長してほしい(現行制度では2021年8月まで)との声が上がっているようです。
冒頭に書いたとおり、個人的にはインドネシアは心理的に遠いし、外国人としての投資が結構難しい(手続き麺で面倒という点も含めて)と思っているので、他の東南アジア諸国に比べるとアンテナの張り方が弱いのですが、要所要所で状況把握しておきたいところです。
※ バリは好きなんですよね、また行きたいな(写真は以前に行ったバリのものです)。