【APAC】APAC地域における2021年上期のM&A額が過去最高に
新型コロナによるパンデミックで人の移動が制限されるようになって1年以上が経過しています。その裏側では、技術進歩に支えられたデジタルトランスフォーメーションが様々な産業分野で加速し、事業の成否に大きな影響を与え始めています。
今日は、アジアパシフィック地域におけるM&A(買収・合併)の成約額が過去最高になったという記事を読んでいきます。
英単語メモ
fuel(動詞)
(~に)まきをくべる、燃料を供給する
(感情・議論などを)刺激する、あおる
to supply sth with material that can be burnt to produce heat or power
to put petrol/gas into a vehicle
to increase sth; to make sth stronger [SYN] stoke
名詞のfuelが「燃料」なので想像はしやすいです。
trajectory
(弾丸・ロケットなどの)弾道、曲線
the curved path of sth that has been fired, hit or thrown into the air
使用例文として「My carrer seemed to be on a downward trajectory.」というものが挙げられていましたので、弾丸やロケットなどの実体があるもの以外でも使えるようです。
M&Aのディール総額
アジアパシフィック地域における2021年上期のM&A総額は5,350億米ドルに達し、前年に比べるとおおよそ2倍になりました。このうち、50件ほどの取引が10億ドルを超える案件だったようで、大型案件だけに限れば5倍にもなったようです。
テック分野が牽引
業界別で見ると、テック業界が金額ベースで28%を占め、全体を牽引しました。昨年と比べて88%も増加したとのことです。具体的な案件名が示されていないので推測になりますが、例えば2021年上期のニュースでは、インドネシアのテックカンパニーの雄であるGojek社とTokopedia社の大型合併は記憶に新しいところです。
IoTやAI,、EVs、燃料効率化などの次世代の技術の登場によって、こうしたテックカンパニーへの投資(M&A)が加速しているとのことです。基本的な傾向として、(M&Aなので目新しい指摘でもトレンドでもないと思いますが)一から作るよりも既存のものを買い取るという発想が目立ち、マーケットシェアの拡充のほか、技術そのものや、技術を体現するスキルセットの獲得が目的となっています。
世界的にESG関連投資が拡大
世界的な傾向として、ESG関連、特に再生可能エネルギー関連への投資が拡大しており、2021年上期においては約1,000億ドルと、前年同期比で3倍になりました。
地域での投資期待は2010年以来最高に
調査対象会社のうち、アジアパシフィック地域の90%もの企業が今後12ヶ月以内にクロスボーダーでのM&Aを考えていると回答しており、これは2010年以来最高の数字になったようです。
特に新型コロナによるパンデミックで加速した感のあるデジタル化の進展が、こうした買収による自社事業のデジタル化の加速化やテクノロジーの底上げニーズに拍車をかけている様子がうかがえます。
おまけ
元記事はマレーシアのThe Edgeという金融分野の専門メディアで2021年9月13日に出ています。ソースに当たれば詳細が得られるかと思い、Earnst&Young社のウェブサイトも見てましたが、同サイト(EYのグローバルサイト)では、2021年8月23日付けで公開されていて、The Edgeの記事はマレーシアのメディアらしく、マレーシアの状況に踏み込んだ内容が追加されたものになっています。
久しぶりにこんな論文でも読んでみようか。