知磨き倶楽部

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【タイ】バンコクの土地価格指数が第3四半期に若干の上昇

11月1日から特定国からの入国者を対象に隔離を実質免除する(到着時のPCR検査結果待ちで1泊は指定ホテルに宿泊する必要がある)予定のタイ。久しぶりの渡航が待ち遠しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

外国人観光客を失い、主要産業である観光業および関連産業への影響が大きいがために、経済全体の回復も遅れているタイですが、周辺の県を含んだバンコク都市圏の土地価格指数は小幅上昇となっているようです。

今日は公表された2021年第3四半期の土地価格指数の動きに関する記事を読んでいきます。

www.bangkokpost.com

 

 

英単語メモ

edge

斜めに進む、じりじり進む

to increase or decrease slightly

「エッジ」と日本語にも取り込まれているので単語としては簡単ですが、動詞で使うとこんな意味も。OALDではズバリと当たる意味が3番目に例文と共に記載されているのですが、Weblioにはバシッと該当する意味が載っていませんでした。やっぱり英英辞典に当たるのは大事です。

derive

(~に)起源をもつ、由来する(from~)

to come or develop from sth

OALDには、fromとセットで使われる前提のPhrasal Verbsとの表記があります。

 

上昇傾向ながら微幅に留まる

新型コロナウィルスにより経済的な打撃の大きいタイですが、バンコク首都圏の土地価格指数は上昇傾向にあります。2021年の第3四半期の数字も微増となりました。上昇はしているけれど、COVID-19前の平均と比べるとかなり小幅な上昇という傾向は、2021年の第1四半期以降変わっていません。

 

なお、元記事でも説明されていますが、土地価格指数の調査対象は、建物の立っていない更地で一定以上の大きさがある土地です。

It selects only vacant land without any buildings sized from 200 square wah to produce the survey.

ちなみに、タイの土地面積の表示の仕方は独特の単位を使います。これは後述します。

 

売り待ちの様相

上昇幅が小幅に留まる要因のひとつとして、経済の回復を待って売り急がない土地所有者たちの行動が挙げられています。今、市場に出てくる土地の売り物は、所有者がどうしても換金しなければならない事情を抱えている場合がほとんどであり、これが価格を押し上げない(利益の最大化よりも早期の現金化が大事)ということですね。

He said one of the main reasons behind the slow growth in the land price index derived from some landlords holding land plots and waiting for the economic recovery.

この動きは当然あると思います。タイに限りませんが、例えば土地を担保にして資金調達している場合、借入の弁済に支障が生じるような事態になれば、この先土地の価格が上がるだろうと思っても売りに出さざるを得ませんが、そうでなければ上がるまで待とうとなりますよね。

上記のグラフにある通り、2012年以降、土地価格指数の上昇トレンドが続いているタイにあっては、まだまだ皆さんCOVID-19による経済への打撃の回復過程で土地の価格も上がるという期待というか、信頼というかを強く持っている感じがします。

 

地域によるバラつき

全体の傾向としては小幅上昇となりましたが、地域ごとに見ていけばバラつきもあります。

バンコクでは鉄道網が整備されているので、日本人の我々にも想像しやすいのですが、新線(延線含む)が開通した、あるいは開通するエリアの主要駅周辺の土地というのは値上がりします。元記事によれば、対象となる路線が2本あるようで、主要な新駅近郊の土地の価格の上昇幅が大きいようです。

 

ただ、こうした値上がりしている地域では、利益確保のために土地を売却するという動きも増えてきます(待つ必要がないと判断する所有者が増える)。売却に動く土地の所有者が増えれば、この先の上昇幅は小さくなるかもしれないとコメントされています。

こんなコメントすれば、ますます利益確保のために売却に動く所有者が出てきそうですけどね。トレンドが続くなら待てる余力のある人は待てばいいとも思いますが。

 

タイにおける土地の面積単位

外国人投資家として普段検討対象になるようなコンドミニアムなどの面積表示は国際標準の単位が使用されるので、あまり見かけることはないかもしれませんが、土地を対象にするとタイの伝統的な面積単位を目にすることが圧倒的に増えます。慣れてしまえばなんてことないので、簡単に紹介しておきます。

 

ライ=1,600平方メートル

ガーン=400平方メートル(4ガーンで1ライ)

タランワー=4平方メートル(100タランワーで1ガーン)

 

住宅でも、戸建て住宅の広告など見てると、タランワーで表示されていたりすることがありますね。「上昇傾向ながら微増に留まる」の項で引用した元記事では「square wah」という記載がありますが、これがタランワーです。

 

タイの仲介業者などに売りに出ている土地の資料を見せてもらうと、「4-1-30」などのように土地の大きさが記載されていたりしますが、左から4ライ+1ガーン+30タランワーという表記になっています。

外国人向けの投資用コンドミニアムだけを見ているのであれば、それほど気にしなくても大丈夫(販売資料も外国人用にメートル表記になっていると思います)が、せっかくタイの不動産を見るのであれば、現地の度量衡も把握しておいた方が楽しいです。