知磨き倶楽部

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【本の紹介】2021年8月の読書記録

僕は普段、読書メーターというサービスを利用して読書の記録をつけています。投稿できる文字数に制限があって丁度いい感じなのが気に入っています。

2021年8月は24冊を読了しましたが、8月ということもあって太平洋戦争絡みの本を多めに読んでみました。この記事では、読書メーターに投稿した24冊分の感想・記録を転載しています。

 

なお、お勧めの本を3冊だけ挙げさせていただくと、以下になります。

 

(2021/170)人類が月に降り立った日から50年。50周年を記念して刊行された、初めて月に降り立った「ファースト・マンニール・アームストロング氏の評伝の増補改訂版。上巻はアポロ11号の打ち上げ前まで。周囲の人物の話、技術的な話なども多く盛り込まれていて、非常に詳しい反面、若干読みにくい。久しぶりに時間のかかる読書となったが、途中、猛烈に『宇宙兄弟』が読みたくなって全巻再読してしまったことも時間がかかった要因だ(笑)
読了日:08月02日 

 

(2021/171)中学2年生の息子が英検準1級に合格したので、高校在学中くらいを目標に1級にも挑戦する気になってくれないかなぁ、と望みつつ本書を手に取る。やっぱり王道だ。目新しいことはないが取り組み方の深さが違うんだ。英英辞典(僕が持ってるのは著者お勧めの辞書の第8版でやや古い)をちゃんと引き、類義語もキチンと押える。母語じゃないんだから、こういうことを地道に積み重ねられるかどうかが大きな差を生むんだろうな。ちなみに、僕自身は準1級でも歯が立たなそうな気が。。仕事では困らないが、偏りがあり過ぎる(汗)
読了日:08月02日

※こちらの本は、当ブログでも別途紹介済です。

chimigaki.hatenablog.com

 

(2021/172)日露戦争から大東亜戦争(太平洋戦争)までの憲政史を追いながら、「賢人の知恵」の応酬を繰り返す時の体制がいかにダメダメで国家が泥沼に陥っていったかを見る。著者の思想はさておき、読み物として普通に面白い。官僚が実務能力に長けた集団である一方で、組織の論理に縛られ大局的な意思決定ができる集団ではない(そもそもそういう意思決定は政治の役割だ)ことは今も変わらない。ホント個々に優秀な人は多いんだけど。
読了日:08月07日

 

(2021/173)【Kindle Unlimited】今月の特集はファンタジー。映画には興味がわかないが『鹿の王』をまた読みたくなってしまった。『指輪物語』は何度も挫折してるんだが、やっぱり興味は惹かれる。こっちは妻の秘蔵DVDの力を借りてみようかな? 先月号で追加することになったリストも消化しきれないうちに、またもや読みたい本リストに多くの本を追加することとなってしまった。やべえな、嬉しい悩みだ。今月のプラチナ本はまさかの少年漫画『左手のための二重奏』。休日だし、大人買いでいいよね。
読了日:08月08日

 

(2021/174)待ちに待った最新刊の27巻。ローゼマインが王族の養女となることが決まり、中央へと連れていきたい者たち、ついていきたいが事情が許さない者たちなど。それぞれが、それぞれの想いを胸に移住の準備やローゼマインからの引継ぎを始める。圧巻はエルヴィーラの大きさだろうなぁ。平民出のマインを自分の娘として成人させることを受け入れて以来、この人はまさに母親。上級貴族としての采配も常に見事。成人したトゥーリの婚約者はエピソードで明らかに。いつローゼマインが知ることになるかな?28巻は今冬か。待ち切れない。
読了日:08月10日

 

(2021/175)【Kindle Unlimited】iPadを活用する自己啓発本的な内容。大袈裟に言えば自分の人生、卑近な言い方をすれば自分の仕事や生活をどうしたいのか。それをiPadを使って、より効率的に、あるいは楽にすることが出来るかもしれない。そのためには目的をもって触ってみる、使ってみることが必要。僕はiPadにそこまで求めていないが、使わないのが勿体ないとは思うほどに色々できるのも事実。2021年モデルのiPad Pro12.9インチモデルの紹介もあったが、これは今のところ僕には不要そうだ。
読了日:08月10日

※こちらの本は、当ブログで別途紹介済です。

chimigaki.hatenablog.com

 

(2021/176)【再読】【新潮文庫の100冊2021】11年ぶりに手に取る。歴史好きな中高生を対象にした5日間の特別講義で、日清戦争から太平洋戦争(大東亜戦争)まで、近現代の日本が主体的に戦った戦争を採り上げる。当時、将来我が子にも関心を持って勉強して欲しいと思ったものだが、そんな息子もこの講義を聞いていた子たちと同じような年齢になった。正直、普通の中高生にはやっぱりハードル高いと思うけど、この夏休みに読ませてみよう。生々しい「歴史」は知っておくべきだし、なぜ?という問いは持つべきだから。
読了日:08月14日

 

(2021/177)【Kindle Unlimited】2020年11月に鬼籍に入られた矢口高雄氏の評伝。元産経新聞記者の藤澤さんが、長時間のインタビューを基に、氏の代表作である『釣りキチ三平』や『マタギ』などを通して、氏のマンガに対する想いなどを描き出す。これを読んだら『釣りキチ三平』を読みたくなるし、横手市増田まんが美術館にも行きたくなること請け合い。
読了日:08月14日

 

(2021/178)ボニー・マクバード氏によるホームズ・パスティーシュの第二弾。正典の設定を踏まえ、ワトソン博士の未発表原稿という体を取った物語は真に迫りつつ、正典には描かれない「事実」を新たに描き出す。今作ではホームズの語られない青年時代の一部が明らかになる。事件の凄惨さ、ホームズを持ってしても解き明かすに至れない不可解な謎などもモチロン面白い。分量はあれど、休日に一気読みで楽しませてもらった。
読了日:08月15日

 

(2021/179)映画のノベライズというのはあまり好みではないのだけれど、本書は内容が気になって手に取った。先の戦争末期、京都帝国大学の物理学研究室に下った新型兵器「原子核爆弾」の開発の密命。研究室に在籍する石村修を主人公に、戦時下における物資不足での開発、物理学者が大量殺戮に繋がりかねない兵器開発に従事することへの葛藤などを描きながら、若者らしい心の動きを織り交ぜる。戦争小説としても科学小説としても、もう一歩踏み込んで欲しかったが、流れるように進むストーリーは映画ならではか。気軽に楽しめた。
読了日:08月16日

 

(2021/180)第1特集の「コロナ後経済の大難問」に惹かれて手に取る。何をもって「コロナ後」とするのかよく分からないままトピックが並ぶので粒感が揃わない印象。いみじくも同じ特集の中でぴあの矢内社長が「しばらくはアフターコロナというよりウィズコロナが続くだろう」と言っているし、英国のようにワクチン接種を進めて壮大な社会実験とも言える施策を取る国もある。苦しんでいる外食産業などは、まさにウィズを前提に施策を考えてもらわないとジリ貧で、コロナ後をどう迎えられるかが大難問。もう一歩踏み込んで欲しかったなぁ。
読了日:08月16日

 

(2021/181)【Kindle Unlimited】色々とミステリ関連の賞を受賞しているようなので手に取ってみる。若い男性推理作家と、超美貌で更に若い女霊媒師が組んで、霊媒の力を使いながら様々な事件を解決していく、かと思いきや最終章でガラッと裏切られる。全体を使って叙述トリックを仕掛けてきた点は本格ミステリかもしれないけど、どちらかと言えばラノベ要素の方が強い。楽しんだからいいけどね。
読了日:08月18日

 

(2021/182)【集英社文庫のナツイチ2021】人工知能AIを積んだマニピュレイテッド(ロボット)と本に宿った悪魔のコンビが、悪魔の王であるサタンへ繋がる道を求めながら悪魔祓いをする。ダークファンタジー系なんだけど、マニピュレイテッドには感情がないという設定なので、感情移入先もなく、もの凄くあっさりとした読後感。感想も浮かばないほどに。先に続けられそうな終わり方だけど、続編出ても僕は読まないかな。
読了日:08月19日

 

(2021/183)2015年の現代で看護師として働いていた紗穂が、1944年のフィリピン戦線で従軍看護婦として働くサエの意識に、現代の記憶と意識を持ったままタイムスリップしてしまう。戦況が悪化していく戦線での従軍看護婦として、現代の意識で仲間と共に生き抜いていく。自分を含めて苦しい仲間たちを支えることになったのは、ドリカムの「晴れたらいいね」の歌だった。。めちゃめちゃいい本だ。最後は紗穂と共に泣いた。映画化希望。
読了日:08月21日

 

(2021/184)絵が上手く描けないことにコンプレックスを抱いているという点で、僕は正に著者が想定する読者層のど真ん中。そもそも義務教育で絵は描かされたけど、絵の描き方って習った記憶がないんだけど?だから今でも僕の絵は小学校低学年の子供が描く絵と大差ない(涙)。期待して手に取った本書だが、違う、そうじゃない感。図形を基にした透視法が中心だけど、コンプレックスの元はそこじゃない。基になる正面図がおかしい点だ。おまけ程度に触れられている人物画の際のバランスとかハリガネ人間とか、その方がぐっと参考になる。
読了日:08月21日

 

(2021/185)【Kindle Unlimited】プロ野球史上初の女子選手となった鳥海真琴。幼少時代から野球が好きで高校野球時代には男子の中で唯一の女子として部に在籍するが故の事件が起こる。一方、当時のチームメイトで真琴と付き合っていた龍也は過去に自分がした仕打ちを思い出しながら、テレビの前でマウンドに上がる真琴を見ていた。そんな二人の過去と現在の場面が交互に描かれながら進む。辛い展開もあるけれど、全国の野球女子に送る応援歌であり男性社会を打ち破るメッセージ。後輩で友達の雫の存在がでかい。一気読み。
読了日:08月22日

 

(2021/186)【集英社文庫ナツイチ2021】高校で図書委員をしている二人の男子による日常系謎解き。二人が特別仲が良いというわけではないのに、互いの物の見方や考え方をリスペクトしつつ、という距離感がいい。リスペクトが友情に変わりつつあることを感じさせながら、最後の最後で抱いた友情のような感情が試されるかのような話が。気になるなぁ。でも、ここでキッチリ終わるからこそビターな余韻が残っていいんだろうな。バランスが良くて面白かった。
読了日:08月23日

 

(2021/187)中学2年生の息子に読ませようかと思って先に手に取る。資本主義の成り立ちまでの流れは良いけど、資本主義の生み出した世界の諸問題の解説を宇沢弘文氏の理論に偏重して解説するのはどうかなと。SDGsの考え方の台頭に至るベースとしての問題認識はあれど、もう少しバランスに配慮して欲しかった。自分が14歳の頃、日本はバブル経済にあって資本主義を国中で謳歌していた。今の14歳に諸問題に関する意識を持ってもらうのは否定しないが、まずは僕たち大人だよね。
読了日:08月24日

 

(2021/188)年齢的に自分に近い主人公が若年性アルツハイマーと診断され徐々に進行していく。記憶が欠落していく恐怖、仕事における恐怖、生活における些細なことすら忘れ出来なくなっていく恐怖がリアルに感じられてしまう。つけ始めた「備忘録」という名の日記からも進行が明らかで。支えてくれる奥さんの存在が救い。
読了日:08月26日

 

(2021/189)劇団で役者をしている夫が交通事故に遭った際、運転し同乗していたのが有名女優であったことから、妻と子の生活が一変。夏休みに合わせて逃げていた四万十へも追及の手が及んだことで、夏休みを越えて逃げ続けることを決意する。母の視点と子の視点が交互に切り替わって展開されるが、子を守らねばと強くなる母の気持ちと意思が基調。落ち着きどころは一体どこなのか、と思いながら読む手が止まらなくなった。
読了日:08月27日

 

(2021/190)【集英社文庫ナツイチ2021】タイトルから勝手に『最後の秘境東京藝大』みたいなものを想像してたんだけど、こっちはフィクション。「仏さま研究室」に所属する修士課程2年生4人が「模刻」の課題を通じて成長していく群像劇。東京藝大という背景が力強い。仏教文化(仏像)と青春の掛け算という感じで、これは結構好きだなぁ。
読了日:08月29日

 

(2021/191)【Kindle Unlimited】右四間に潰されることも少なくないので手に取ったが、こっち四間飛車が前提で振り飛車党用の本だった。居飛車党の僕にはちょっと違うが、四間飛車と対峙した際に右四間で応じるとどうなるかを考えながら読むのは参考になった。
読了日:08月29日

 

(2021/192)【Kindle Unlimited】中飛車対策に居飛車側は一直線に穴熊を目指して対応する順を様々なケースで検証する。ただ、これ読み始めたら、まだ将棋ウォーズで一度も中飛車で来る方と当たらないというw 穴熊に組むと、どうしても攻め手に悩んでしまうので、その辺がまだまだ課題だ。あとはと金は穴熊の天敵というポイントを忘れないように。
読了日:08月31日

 

(2021/193)池上彰さんが中学生向けに行った授業を基にした本。中学2年生の息子用に。まだ海外生活の方が長い息子にとっては「海外」に対する許容度は普通より大きいと思うが、だからこそ日本に戻った今も、世界に対する意識を持ち続けて欲しい。事あるごとにこういう類の本を読ませようとする親の気持ちを少しでも感じ取ってくれたら。内容は平易であり、普段池上彰さんの本を読んでいると新たに得られるものはないが、息子にどう語るのかの参考にはなる。僕も世界を知る努力を続けなくてはいけない。
読了日:08月31日