【本の紹介】英英辞典は怖くない!王道で取り組む英語学習(和泉有香 著『英検1級の語彙を極める!』より)
語学には終わりがありません。
僕自身は、東南アジアに仕事の場を移してから10年近くが経ち、仕事関係では英語の問題にぶち当たることは減ってきましたが、パーティーの場などで初対面の人と会話を広げることは、まだまだ難しいというレベルです(話題を見つける能力の低さの問題もありますが)。日々の研鑽は必須です。
そんな中で思うのは「やっぱり語彙だよなぁ」ということ。
ちょうど中学2年生の息子が英検準1級に合格し、高校在学中くらいに英検1級に挑戦しようと思ってくれたらなぁと考えていたところだったので、主に息子の気持ちを前に向けるためにこんな本を手にとってみました。
やっぱり王道いくしかない!と思わされましたよ。
著者紹介
著者の和泉有香さんは、英検1級の試験で優良賞を受賞されたほか、TOEICでも1390点を獲得され、大学や専門学校などでTOEIC対策、英検対策、英語発音などを教えている方。関西の方なので、本書でも関西弁が飛び出し、もともと雑誌連載コラムとして読みやすい分量なのに、さらに口語調でとても読みやすい一冊になっています。
英英辞典は必須でしょ
ある程度英語の学習が進んだら、やっぱり英英辞典は必須です。僕もそう思って本棚には英英辞典がありますし、iPhoneにも英英辞典のアプリが鎮座しています。使用頻度のほどが問題ですが。。
著者の和泉さんが本書で薦めていらっしゃるのはこれ。
我が家にある英英辞典も、こちらのオックスフォードの第8版です。
これをちゃんと手元に置いて使うことが語彙を増やすための王道です。ええ。本棚にあろうと、iPhoneに入っていようと意味はないのです。
「教える」を「teach」以外で表現できますか?
これは、本書の副題にもなっていますし、第1章で早速取り扱われます。
僕は残念なことに一個も表現できませんでしたけど、、本書では「enlighten」「indoctrinate」「instill」「inculcate」「drill」「demonstrat」「imbue」などが挙げられていました。これenlightenは辛うじて意味が取れますが、僕は、そもそもの英単語から「教える」系の意味を持つ単語だと判断することも難しいレベルです(汗)
せっかくなので、手元の英英辞典で「teach」を引いてみました。さすが基本単語。Vocabulary Buildingという囲みがあって、似たような単語が列挙されていました。
teach: John teaches French at the local school.
educate: Our priority is to educate people about the dangers of drugs.
instruct: Members of staff should be instructed in the use of fire equipment.
train: She's a trained midwife.
coach: He's the best football player I've ever coarched.
tutor: She tutors some of the local children in math.
あれ、例文も含めて、知らない単語一個もない。。。これが挙げられないとは、自らの発想力の貧困さに打ちのめされる気分です。
「とても~=very~」をやめるために
これも、本書の副題にありますが、第4章で取り上げられている内容です。
英語を習い始める、ものすごく最初の段階で習う単語ですし、思わず使ってしまう単語。ただ、日本語でも、いつも「すげえ」「すげえ」言ってるだけではいただけないですよね。
ちなみに、最近の自分自身が発した言葉を振り返ってみると、「very difficult」と言ってしまうことが多いように感じますが(残念な生活送ってるなぁ。。)、本書では「very+形容詞」は1語で表現してみよう、とされています。
very difficult → arduous
やば、arduousとか初めて見た(汗)こういうところですね。早速英英辞典を引いてみます。
arduous adj.
involving a lot of effort and energy, especially over a period of time: an arruous journey across the Andes. The work was anduous -> arduously adv.
いやあ、これ出合わないと絶対に辿り着かないわ(汗)圧倒的に文章を読む量が足りないんでしょう(仕事で偏った文章ばかり読んでいると、まずお目にかからない種類の言葉だし)
ちなみに、いい機会なのでdifficultも引いてみると、synonymsとして「hard」「challenging」「demanding」「taxing」が掲載されていました。あれ、どうやってarduousに辿り着けば、、?
difficult adj.
not easy; needing effort or skill to do or to understand
他の定義もありますが、ここでは省略。確かにeffortが必要という意味で、上記のarduousも似たような感じですね。a lot ofが入っているので、difficultよりより多くのeffortが必要ということでvery difficultの言い換えになるのか。。
It's very difficult to use "arduous" instead of "very difficult". ですよ。。
ここで紹介した4章は、実は本書の中で一番息子に読ませたいなと思った章でもあります(英英辞典引け!というのも強く言いたいところではありますが)。中学生だからというのを差し引いても、やっぱり書いている文章の表現が気になるんですよね。
very~もそうですが、4章で書かれている「I think that~」を別の表現で、というのも大いに頷けるところだし、息子の文章を読んでいても気になったところです。仕事上は意見を言わないといけないわけで、自分にもとても大事な点です。
副題に挙げられている事例に絞って本書の中身と、そこから自分自身が学べることを書いてみましたが、驚くほど自らの語彙に広がりがないことに気がつかされます。
その一方で、英英辞典という敷居の高さを感じられるものが、いかに平易な文章で単語を定義してくれているのか、ということにも気がつきます(抜き出したのは3つだけですが、分からない単語は一個もない)。
英英辞典に対して無意識に構えてしまっているようなところを取り払い、英語学習というarduous journeyに乗り出す第一歩として、本書は非常に入りやすい入り口だと思います。 短時間で読めますし、一度手にとってみてはいかがでしょうか。