知磨き倶楽部

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【プロセカ】イベントストーリー「走れ!体育祭!~実行委員は大忙し~」(第4話)

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過去にプロセカで行われたイベントストーリを書き起こします。

今回は第4話。

えむが2年生のまふゆと出会う場面です。

ここまでのストーリーはこちらから。

第1話

第2話

第3話

 

 

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遥たちと別れて、二人三脚のために校庭へと向かったえむ。

「んーと、二人三脚の練習場所って、ここかな? あたしが一緒に組むセンパイは、たしかえーっと・・・・・・」

「あなたが鳳さん?」

「ほ?」

えむに声をかけにこやかに佇んでいたのは、二年生の朝比奈まふゆだった。

「はーい! 鳳えむですっ! ・・・・・・む? なんだかセンパイのこと、どこかで見たことあるような・・・・・・?」

「初めまして。2年B組の朝比奈まふゆだよ。部活以外で1年生の子と話せるなんて嬉しいな。よろしくね、鳳さん」

「よろしくお願いしまーす!」

通りがかったまふゆの同級生たちが声をかける。

「あ、まふゆ! 二人三脚、頑張ってね!」

「応援してるよー!」

「あ・・・・・・もう。恥ずかしいな」

「おお~! センパイ、人気者~!」

「そんなことないよ。でも、応援してもらえるのは嬉しいな」

 

「まふゆって本当にすごいよね! 勉強だけじゃなくて運動もできるし。 学年対抗リレーも出るんでしょ?」

「ホント、まふゆって、何やっても完璧だよねー」

「・・・・・・・・・・・・ ――ありがとう。鳳さんと一緒に頑張るね」

同級生たちが続ける会話に笑顔で答えるまふゆだったが・・・・・・

「ひっ!?!?」

「鳳さん? どうかしたの?」

「い、い、いえっ、ななな、なんでもないです!!」

「それならいいけど・・・・・・。何かあったら遠慮なく言ってね」

「ひぇっ!!」

(な、なんだろう!? 笑顔だけど、笑顔じゃないっていうか・・・・・・)

同級生たちが微塵も気がつかない、真のまふゆの姿に直感で気がついてしまったえむは、まふゆの顔に張り付いた笑顔に何とも言えぬ怖さを感じてしまう。

(と、とっても怖いよ~!!!!)

「じゃあ、さっそく練習していこうか。靴紐は8の字に結んで、それから――」

 

「・・・・・・あれ?」

そこに、えむと同じ1年B組に在籍する望月穂波が通りかかった。

(えむちゃんと、あれは・・・・・・2年生の、朝比奈先輩?)

「えむちゃん、朝比奈先輩と二人三脚出るんだね。がんばってね」

「ほ、穂波ちゃん・・・・・・!」

「鳳さんの友達?」

「あ、は、はい! 同じクラスで・・・・・・!」

「あれ? えむちゃん、なんだか緊張してる?」

「うえっ!?」

(あ、そういえば・・・・・・。朝比奈先輩って、美人で勉強も運動もできるから、憧れてる子が多いって聞いたことがあるな。じゃあ、えむちゃんもそうなのかも)

穂波も、他の生徒たちと同様、真のまふゆの姿に気がつかないため、えむの態度を完全に誤解してしまう。

「素敵な先輩と組めてよかったね、えむちゃん。応援してるね!」

「う、うん・・・・・・ありがとうぅ・・・・・・」

「ふふ、素敵な先輩だなんて、嬉しいな」

(や、やっぱり怖いよ~~~!!)

 

準備に練習にと忙しく過ごすうちに時間はあっという間に過ぎ、いよいよ体育祭を翌日に控えた日、ワンダーランドのセカイでは、初音ミクが寂しがっていた。

「ねえ、カイト~。最近えむちゃん来てないよね?」

「ああ、そういえば、司くん達がえむちゃんは体育祭の準備が忙しいって言ってたね」

「えーっ、そうなの!? じゃあ、しばらくえむちゃんに会えないってことー!? やーだやだー! そんなのイヤだよー!!」

「まあまあ。えむちゃんも体育祭が落ち着いたら来てくれると思うよ。それより、ミク。僕達もショーの準備をしないとだよ。僕は先に行ってるね」

ワンダーランドのセカイでは、座長としてしっかり者のカイト。一方のミクは、このセカイでは子供な性格が強く出ている。

「う~・・・・・・。えむちゃんと歌ったり踊ったりしたいのに~」

 

そこへ誰かがセカイへやってきた気配が・・・・・・

「・・・・・・ん? この感じ、もしかして・・・・・・」

「ミクちゃーん!!」

「えむちゃーん!! 来てくれたんだー! 体育祭で忙しいって聞いたから、会えないのかなって思ってた!」

「そうだったの? なかなか来られなくてごめんね。ちょうどあたしも、ミクちゃんに会えてなかったなーって思ってたんだ。あと、明日が体育祭だって考えたら、楽しみで眠れなくなっちゃって! ・・・・・・ちょっぴり怖いこともあったけど」

「ねえねえ、えむちゃんは体育祭で、どんなことするの?」

「えっとね、リレーしたり、騎馬戦したり、玉入れしたり・・・・・・いろんなことするよ! 実行委員のみんなで、がんばって準備してたんだ♪」

「へえ、いいなあ・・・・・・! ねえねえ、ミクも体育祭出たーい!」

「ホント!? じゃあミクちゃんも一緒にやろうっ! あ、でも・・・・・・ 体育祭のエントリー、もう締め切っちゃってるんだった・・・・・・!!」

「ええー!? でも、そうだよね・・・・・・。やっぱり、急に参加するなんて難しいよね・・・・・・」

「うーん、でも、あたしもミクちゃんに体育祭来てほしいし、何かいいアイディアがあったらいいんだけど・・・・・・」

「あっ、そうだ! ミクが応援係をするっていうのはどうかな?」

「応援係?」

「そう! フレー! フレー! えむちゃん! って感じで♪」

「あ、チアリーダーだね! いいねいいね~♪ ミクちゃんに応援に来てもらえるなんて、すっごく嬉しいな!」

「よかった☆ じゃあ明日、ミクがえむちゃんの学校の体育祭に遊びに行くね!」

「うん。ありがとう、ミクちゃん! ミクちゃんが応援に来てくれるなら、明日はいつもよい、もっとがんばれそう!」

現実世界とセカイの間の垣根が極端に低い二人。さて、どうなることやら・・・・・・。

 

いよいよ体育祭の当日を迎え、遥も気合が入る。

(いよいよ今日だ。晴れてよかった。みんな、楽しんでくれるといいな。あ・・・・・・。この感じって、もしかして―― ライブの前に、少し似てるかも)

「・・・・・・みんなが『楽しかった』って思えるように、今日は全力で頑張ろう」

 

==続く==

 

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