知磨き倶楽部

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【プロセカ】イベントストーリー「走れ!体育祭!~実行委員は大忙し~」(第1話)

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プロセカで過去に行われたイベントストーリーのうち、お気に入りのストーリーを書き起こしてみます。

今回は、宮益坂女子学園で体育祭が行われた際のストーリーです。

思っていたより分量が多くなったので、全8話までがんばって続けなくっちゃ!(~しなくっちゃ、というキャラクターが多くてw)

 

 

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昼休みに入った宮益坂女子学園1年C組の教室で、ストイックな桐谷遥は考えていた。

(もうお昼か・・・・・・。明日の放課後はみのり達と練習があるし、メニューのチェックしておかないと)

すると、クラスメイト達が話している声が聞こえた。

「あれ? このペンギンの消しゴム、落とし物かな?」

「 あ、これって、最近出たフェニーのグッズだよね。可愛い~」

ペンギン大好きな遥の消しゴムだ。

「あ・・・・・・それ、私の。うっかり落としちゃってたみたい。拾ってくれてありがとう。」

普通のクラスメイト達にとって、トップアイドルグループのリーダーとして活躍していた遥は、まだ眩しく遠い存在だ。

「う、うん・・・・・・!」

クラスメイト達の反応が不思議な遥。

「・・・・・・?」

「ねえ、桐谷さんと話しちゃった!やっぱ、芸能人ってオーラあるよね」

「いいなー。私も話したかったなあ」

「・・・・・・・・・・・・」

(復学してしばらく経つけど、やっぱりまだ馴染めないな。もっと、みんなと普通に話せたらいいのに・・・・・・)

トップアイドルとして走り続け、復学してもフリーのアイドルとして、同じ学校の元アイドルやアイドルに憧れる友人たちと動画配信でアイドル活動を行う遥は、なかなか他のクラスメイトたちの輪になじめないことが悩みの種だった。

「はるかちゃーん、今から時間ある?」

「もしよかったら、桐谷さんも一緒にお昼どうかなって」

そんな遥に、同じ1年C組に在籍する天馬咲希と星乃一歌が声をかけた。

「天馬さん、星乃さん・・・・・・」

(でも、ふたりみたいに話しかけてくれる子達もいるし、無理して焦ることはないのかも)

「あ、それって練習メニュー表? もし忙しかったら、また今度で・・・・・」

「ううん、大丈夫。ちょっと見てただけだから。一緒に食べよう」

「よかった! 食べよ食べよ~!」

 

「いっちゃんってば、また焼きそばパン買ったの? ホント好きだね~」

「星乃さん、初めて一緒にお昼食べたときも、焼きそばパン食べてたよね」

「うん・・・・・・美味しいから」

「ふふ、好きな物はどれだけ食べても飽きないよね」

普段から体調管理に気を遣い、食事制限を続けている遥だけど、咲希や一歌との食事の会話は楽しい。

 

「ところで、もうすぐ体育祭だけど、ふたりともどの競技に出るか決めた?」

「まだ決めてないよ。走るの以外がいいなって思ってるんだけど・・・・・・」

「体育祭か・・・・・・」

(アイドルになってから、授業も出られないくらい忙しかったけど・・・・・・ 今は学校行事にも参加できるんだ。・・・・・・嬉しいな。みのり達はどの競技に出るんだろう?練習の時、聞いてみようかな)

「はるかちゃんは? なんの競技に出るか、もう決めてる?」

「ううん、私もまだだよ。実は、ずっと仕事で学校に行けなかったから、どんな競技があるのかもよくわかってないの。最後に学校の行事にちゃんと参加したのは、多分、小学5年生くらいで・・・・・・。ごめんね。急にこんな話しちゃって」

「ううん!一緒だなあって思ってたの! アタシも中学のあいだはほとんど入院してたから、こういうイベントってすごく久しぶりなんだよね」

「あ、そっか。たしか天馬さんは、しばらく病気で休んでたんだよね」

「うん! でも今は部活で運動もしてるし、大丈夫だよ! 今まで参加できなかったから、体育祭楽しみなんだ~。何に出ようかなーってずっと考えてて。人気があるやつは、きっとジャンケンとか、くじ引きになるよね。えへへ、こういうのって、ワクワクするなー!」

「そうだね。私も楽しみだな」

それぞれ事情は違えど、ずっと体育祭に出られなかったために、久しぶりの学校行事を楽しみにして盛り上がる。

「・・・・・・あ。そういえば、咲希って体育祭の実行委員だよね?」

「うん! 今日の放課後に、最初の話しあいがあるんだ。でも、今年はあんまり委員が集まってないらしくて。ちょっと残念だよー」

「少し意外かも。実行委員って楽しそうだし、やりたがる人多いのかなって思ってた」

「うちの学校って、勉強や部活に打ち込んでる子が多いんだけど、その分、行事には消極的な子も多いんだ。それに、単位制のクラスもあるし。前の桐谷さんみたいに、学校の外で活躍してる子がたくさんいるから」

「そっか・・・・・・」

「クラスで実行委員やってるのアタシだけだしね。誰かもうひとり、一緒にやってくれたらいいんだけどな~。他の人にも声かけてみたんだけど、断られちゃって。いっちゃんは学級委員の仕事あるし・・・・・・。誰か他に、お願いできそうな人がいたらいいんだけど・・・・・・」

話しながら、閃いたように遥を見る咲希。

「そうだ! はるかちゃん、実行委員やってみない?」

「え、私?」

「咲希、桐谷さんは新しくアイドルグループ組んだみたいだし、実行委員はできないんじゃ・・・・・・」

「そんなことないよ。ただ、全部の実行委員会の活動日に参加できるかは、ちょっとわからないなって」

「それなら大丈夫! 実行委員っていっても、そんなに大変じゃないらしいの。何回かミーティングに出て、体育祭当日に審判とかグラウンド整備を少しやるだけでいいんだって。はるかちゃんの負担にはならないと思うから・・・・・・。よかったら、一緒にやりたいな!」

「うーん・・・・・・」

(こういうやったことなかったし、いい機会かもしれないな)

少し悩みながらも、常に前向きな遥。

「じゃあ、今から同じグループの子に体育祭実行委員に参加してもいいか確認するから、ちょっと待ってもらってもいい?」

「うん! もちろん!」

 

More More Jump!のメンバーたちにメッセージを送った遥は、返信を待ちながら不安な気持ちを抱いていた。

(メッセージ送ってはみたけど・・・・・・。みんな、いいって言ってくれるかな)

(あ、返ってきた。・・・・・・愛莉から?)

『体育祭の実行委員、いいじゃない! 練習のこと気にしてるみたいだけど、実行委員の仕事って、体育祭まででしょ? アイドルしてたらなかなかやれることじゃないし、せっかくだから、思いっきり楽しんだほうがいいわ!』

同じくアイドルを経験してきた2年生の桃井愛莉は、力強く遥の気持ちを後押ししてくれる。

「あ、みのりと雫も、いいよって・・・・・・」

(みんな・・・・・・ありがとう)

同じグループのメンバー達の温かい後押しに感謝する遥。

「天馬さん、私、実行委員やるよ」

「えっ、ホント!?」

「うん、同じグループの子達も、いいって言ってくれたから」

「やったー! ありがとう、はるかちゃん!」

「よかったね、咲希。桐谷さんも忙しいのにありがとう」

「じゃあ、さっそく今日の放課後に実行委員の顔合わせがあるから、一緒に行こうよ!」

「うん、わかった」

 

咲希に誘われて遥が実行委員をやることを決めた頃、廊下では歌いながら歩く鳳えむの姿が・・・。

「わくわく~・・・・・・わんだほーい!! 楽しみだなー、体育祭! 楽しみすぎて、体育祭の歌が作れちゃいそう!! すってきなすってきな体育祭~♪ みんなで笑顔で走りましょ~~♪」

「な、何あの子・・・・・・。なんでひとりで歌ってるんだろ」

ご機嫌で歌いながら歩くえむを不思議そうな目で見る生徒たち。

「あ、B組の鳳さんだね。いっつもあんな感じだよ」

「え? そうなの? 変わってる子だね・・・・・・」

「何に出ようか迷っちゃう~~♪ 騎馬戦、リレーに徒競走っ♪ ・・・・・・えへへ、ほんとに楽しみ! はやく放課後にならないかな~!」

 

==続く==

 

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