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【プロセカ】イベントストーリー「走れ!体育祭!~実行委員は大忙し~」(第2話)

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プロセカの過去イベントストーリーの書き起こしです。

今回は第2話。

第1話のストーリーはこちらからどうぞ。

chimigaki.hatenablog.com 

 

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放課後、体育祭実行委員の顔合わせの時間となり、遙と咲希も委員が集まる教室へ向かった。

「・・・・・・それじゃあ、今年の体育祭も、例年通りの競技を行うということで」

「次に、当日準備ですが、こちらも例年通り、体育委員会と分担で行い・・・・・・」

(なんだか、思ってたのと違うな。体育祭って、もうちょっとみんなで楽しんで作っていくものだと思ってたんだけど・・・・・・。みんな、特に意見も言わないし、淡々と進んでいってる。でも、学校行事に消極的な子が多いって星乃さんも言ってたし、こんなものなのかな)

何事も例年通りとして淡々と進んでいく委員会の様子に、遥はやや不満げ。それでも、久しぶりの学校行事ということで勝手もわからず、意見が言えない。

「・・・・・・はるかちゃん、ごめんね。せっかく一緒に実行委員やるって言ってくれたのに・・・・・・。きっと、思ってたのと違ったよね」

「気にしないで、天馬さん。うちは進学校だし、みんな行事はほどほどにやりたいのかもね」

 

「それでは、今日の顔合わせはこれで終わりに・・・・・・」

と取り仕切っている実行委員が会議を締めようとした時、

「ちょっと待った~~~~!!」

えむが決意を胸に立ち上がった。

「え?」

実行委員も驚いたが、諦めモードに入っていた遥と咲希も驚いてえむを見た。

「へ? なになに?」

「あの子・・・・・・たしかB組の、鳳さんだっけ」 

「あたしーーもっと楽しい体育祭にしたいですっ!」

「た、楽しいって・・・・・・?」

「さっきからずっとずっとずーっと『例年通り』ばっかりで・・・・・・ それじゃあ、楽しい体育祭にはならないと思いますっ! もちろん、運動が苦手で、体育祭なんか好きじゃないって子もきっといると思うけどーー でも、そんな子達にも『楽しかった』って言ってもらえるような、そんな体育祭にしたいですっ! みんな笑顔になれる体育祭・・・・・・つまり! あたしはこの体育祭をーー最高のショーにしたいんですっ!!」

「ショ・・・・・・ショー?」

「なんかあの子、ちょっとお兄ちゃんっぽいなぁ」

咲希は知らない、えむが咲希の兄である天馬司と一緒にフェニックスワンダーランドのショーキャストを務めていることを。。

「それに、体育祭がすーっごく楽しくなったら、次の日からの学校も、『もっとがんばろう』って思えるはずっ!」

「あ・・・・・・」

えむの言葉に、仲間のみのりの『“明日をがんばる希望”を届けたいんです!』という言葉を思い出す遥。それは、自分たちMore More Jump!の想いにもなっている。

「・・・・・・・・・」

「だから、みんなで新しい競技とか考えたり、飾りつけしたり・・・・・・ 実行委員のみんなで、どうやったら楽しい体育祭にできるかを考えましょー!」

「でも、今年は例年より実行委員の人数が少ないんです。今から新しいことをしようとしても、間にあうかどうか・・・・・・」

「ええ。それに、体育祭のあとは、定期試験もあるし・・・・・・。試験勉強もある中で、みんなに時間を割いてもらってるんです。だから、これ以上新しいことをやるのは厳しいです」

「でもでも! そこはみんなで工夫して・・・・・・」

「鳳さんの意見もわかりますが、あまり現実的ではないと思います」

「う~。でもー・・・・・・」

 

例年通りにまとめてつつがなく体育祭を終えられればそれでよい、という実行委員の先輩達に押されるえむ。そんな様子を見て、遥は考えた末に言った。

「・・・・・・・・・・・・ 私、鳳さんを手伝いたいと思います」

「えっ、はるかちゃん!?」

「あなたは・・・・・・」

「桐谷です。先輩達の言うことも、もっともだとは思うのですが・・・・・・ せっかく学校のみんなが参加する体育祭ですし、私も、みんなに楽しいって思ってほしいです」

「ですが、さっき言った通り、新しいことをやるには人手も時間も足りませんし・・・・・・」

「それなら、前までやっていた競技を復活させるのはどうでしょう? これまでの体育祭のしおりが図書館にあったので、話しあいの前に見ていたんですけど、何年か前は、面白そうな競技がいくつかありました。昔行っていた競技なら、道具も揃っていると思いますし、準備に時間もかからないはずです。あとは・・・・・・今の競技は学年別になっていますが、学年を越えて交流できるようにしたらどうでしょうか」

「そんなの、余計に大変じゃない?」

「面倒くさそうだけど・・・・・・」

「いえ、先に好きな練習日を選んでもらって、そこに集まった人同士で練習できるようにすれば、練習時間も大幅にとられないはずです。これくらいの変更なら、実行委員の人数やみんなの練習時間があまりとれなくても、いけるんじゃないでしょうか」

普段、More More Jump!で動画配信の企画を考えるときと同じように、いくつものアイディアを出しながら、実行委員の先輩達に訴えかける遥。

「わあ・・・・・・! それ、すっごくいいアイディアだね!」

「うん、それに楽しそう!」

「・・・・・・たしかにそれならできるかもしれませんが・・・・・・」

先輩実行委員が傾いてきたところで、遥は強引に押し切った。

「ありがとうございます」

「でも、どの競技を復活させるのか、それに練習する時間帯の割り当ても決めないといけませんね・・・・・・」

「大丈夫です。これは私と鳳さんが言いだしたことですし、次の話しあいまでに、いくつか提案はできるようにしておきます。鳳さんも、それで大丈夫?」

「うん! あたしが言いだしたんだから、最後までちゃんとがんばるよ!」

「じゃあ、アタシも協力するよ! みんなで楽しい体育祭にしたいもんね」

「ありがとう~!!」

「みんなでがんばって、楽しい体育祭にしようね!」

「がんばるぞ~! わんだほーいっ☆」

「・・・・・・わんだほーい?」

「あはは、かわいいかけ声! えむちゃんっておもしろい子だね!」

「ふふ、そうだね。ちょっと変わってるけどーー」

先輩達を説き伏せ、楽しい体育祭に向けて、えむと咲希と一緒にがんばることになった遥。

 

一方、楽しい体育祭を考えられることになってご機嫌なえむは止まらない。

「あ! ねえねえ! せっかくの体育祭だし、開会式も豪華にするのはどうかなっ? 煙がもくもくーって出てきたり、おっきなロボットがばーんって出てきて、校庭を走ったりするの!」

「えっと・・・・・・。やっぱり、結構変わってるかも・・・・・・?」

 

==続く==

 

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