知磨き倶楽部

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【プロセカ】イベントストーリー「走れ!体育祭!~実行委員は大忙し~」(第5話)

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過去にプロセカで行われたイベントストーリを書き起こします。

今回は第5話。

いよいよ体育祭が始まります。

ここまでのストーリーはこちらから。

第1話

第2話

第3話

第4話

 

 

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いよいよ体育祭が始まった。えむの宣誓が高らかに響き渡る。

「宣誓~っ! あたし達は正々堂々と戦って、笑顔いーっぱいの、楽しい体育祭をすることを、ここに誓います!」

『それではこれより、宮益坂女子学園体育祭を始めます!』

(始まった・・・・・・! 鳳さんの言う通り、楽しい体育祭になるといいな)

えむの宣誓を聞き、遥もあらためて気を引き締める。

「遥ちゃーん!」

「鳳さん、さっきの選手宣誓、よかったよ。すごく鳳さんらしかった」

「ほんと? えへへ、嬉しいなっ♪ 今日はお互い、思いっきり楽しもうね!」

「うん!!」

 

体育祭は順調に進み、遥も体育祭実行委員としての役割をてきぱきとこなす。

「次は玉入れだね。カゴの準備はできてる?」

「うん。退場したらすぐに設置するんだよね」

『――2年生、退場します。次は、1年生の玉入れです』

「終わったみたい。さあ、行こう」

 

「わー! この玉、カラフルですっごくかわいい! あ、見て見て! これなんてハムスターの絵が描いてあるよ」

玉入れに参加した花里みのり(1-A)は用意された玉の可愛さに興奮気味だ。

「こっちはウサギだよ。練習の時は普通の玉だったから、わざわざ用意したのかな。すっごくこってるね」

みのりと同じクラスの小豆沢こはねも楽しそうに答える。

「・・・・・・・・・・・・」

「あれ? 志歩ちゃん、怖い顔してどうかしたの?」

みのりは、やはり同じクラスの日野森志歩の様子に気がついて心配気に声をかけた。

「こんなの投げられない・・・・・・」

「え?」

「かわいすぎて、投げられない・・・・・・!」

「ええ!?」

普段の志歩とのギャップに驚きを隠せないみのり。こはねは、それでも遠慮がちに志歩に言った。

「で、でも投げないと勝てないような・・・・・・」

 

「ねえ、2年生の棒取り見た?」

「見た見た! 桃井先輩すごかったよね~! ひとりで敵陣に突っ込んで、5本くらい奪ってなかった?」

「日野森先輩もすごかったよね! 普通に歩いてるだけなのに、ケガさせちゃいけないオーラがあるから、みんな棒を取らないっていう・・・・・・」

 

生徒達が競技中も競技後も、いつもと違う体育祭に楽しげに興奮しているようだ。

「ふっふっふ! みんな楽しんでくれてるみたいっ♪ よーし、あたしもそろそろ二人三脚の準備して――」

『やっほー、えむちゃん!』

「・・・・・・え? ミクちゃんの声? これって、あたしのスマホから?」

『大正解~!』

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「わっ、ミクちゃん!?」

『ふっふっふー♪ 約束通り、応援に来たよー!』

「わあ、ありがとう! 手に持ってるポンポンもかわいいね!」

『でしょでしょ? 昨日、えむちゃんが帰ったあとに一生懸命作ったんだ~。カイトも手伝ってくれたんだよっ☆ 今日は楽しんできてねって言ってくれた!』

「そうなんだー! カイトお兄さん、優しいっ! そうだ、もうすぐあたし、二人三脚に出るんだ。ミクちゃんにはそれを応援してもらって―― でも、ミクちゃん、あたしの席からだと見にくいよね・・・・・・。そうだ! あたし、校庭が一番よく見える特等席を知ってるんだけど、そこまで行っていい?」

『特等席? 行きたい行きたーい!』

「じゃあ決まりっ。今から一緒に行こー!」

 

「とうちゃーく!!」

『わあ・・・・・・!』

「はい、ここが特等席! 校庭で一番高い木の上だよ♪」

『すご~い! いい眺めだね!』

「でしょ~? ちょうど、入場ゲートも正面に見えるんだよ。近くに応援席もあるし、ここなら寂しくないかなって」

『うんっ! とっても嬉しい♪ えむちゃん、ありがとう!』

「じゃあミクちゃん、あたし、行ってくるね。終わったら、また戻ってくるよー!」

『うん! いってらっしゃい!』

ミクを自慢の特等席に案内して、えむは二人三脚に出場するために大急ぎで戻っていった。

『よーし、ミクも張り切って応援するぞー!! フレー! フレー! え・む・ちゃん!』

 

『続いて、3学年合同の二人三脚です』

「まふゆ、ファイトー!」

「まふゆなら絶対1位だよ!」

「・・・・・・鳳さん、今日は頑張ろうね」

「は、はいぃ・・・・・・」

(やっぱりちょっと怖い・・・・・・けど・・・・・・! ミクちゃんが応援してくれてるんだから、がんばらなくっちゃ!)

「絶対勝ちますっ! がんばりましょー! 朝比奈センパイっ!」

「・・・・・・ええ、そうね。やるからには、勝ちましょう」

 

『えむちゃ~ん!! がんばれ~!!』

ミクが応援する中、号砲が鳴り渡り、二人三脚が始まった。

『さあ、始まりました。二人三脚! 今年から学年を越えてのペアでの競争となります! さっそく、2年生と3年生のペアが前に出ました!』

「鳳さん、ペース大丈夫?」

「うん! もっとペース上げられますっ!」

「そっか。それじゃあ、ここから前のペアを追い上げようか」

競技が始まり、まふゆに対するえむの恐怖心はすっかり影を潜めて一位を目指す。

 

『追い上げてきたのは、鳳・朝比奈ペア! 1年生と2年生です!』

「今なら、一気に前に出られそうだね。いける?」

「うんっ! ・・・・・・今だーっ!」

『あっ! えむちゃん達が前に出たっ!』

『鳳・朝比奈ペア、速い! 次々に他のペアを追い抜いていきます!』

「このまま最後まで行くよ!」

「おっけーですっ!!」

 

『・・・・・・ゴール! 1位は、鳳・朝比奈ペアです!』

『やった~!!』

「やったー! やったよー! ミクちゃん、見ててくれたかな!?」

「お疲れさま、鳳さん。1位を取れたのは鳳さんのおかげだよ、ありがとう」

(あれ・・・・・・? 今、ちゃんと笑って・・・・・・?)

「まふゆー! すっごくかっこよかったよ! さすがまふゆ、運動神経抜群!」

「まふゆなら当然だよね!」

「あはは・・・・・・そんなことないよ」

(や、やっぱり笑ってなかった~~!!)

一瞬、まふゆが心から笑っているかのように感じられたけど、同級生たちの声で、再び顔に張り付いた笑顔に再び怖さを感じてしまうえむだった。

 

==続く==

 

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