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【マレーシア】マレーシア不動産への投資は今年(2021年)が最良の時期

マレーシアと言えば、一般社団法人ロングステイ財団の調査で、毎年ロングステイ希望先として1位を獲得している国で、2019年度調査結果(2020年12月発表)では14年連続の1位となっています。

海外不動産投資(住宅)を考える際、自分が住んでもいいと思える国かどうか、も重要な軸の一つですし、それだけ移住希望者がいるということは、実際に移住する方がどれくらいいるかは別として、日本人(外国人)向けの賃貸をイメージしながら投資物件を検討できるという利点があります。

 

そんなマレーシアの不動産投資を考えるに当たり、パンデミックで市場が苦しんでいる今年(2021年)こそが、投資家にとっては最良のタイミングだという記事を読んでいきます。

www.asiapropertyawards.com

住宅価格指数の推移

過去には教育移住ブームと重なって、2011年~2013年頃に不動産投資ブームが起きていました。僕も2012年の頭頃にクアラルンプールでの不動産投資ツアーに参加したことがありました(懐かしい)。

マレーシアのNational Property Information Center(NAPIC)が四半期毎に公表している住宅価格指数を見てみます。

 

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(NAPIC: Snapshot Q1 2021より転載)

 

不動産ブームは、マレーシア政府が2013年頃から、外国人の購入可能最低金額を引き上げたり、不動産譲渡利益に対する課税を強化したりといった抑制策をとったことから沈静化していきました(供給過剰による自浄調整も入ったと思いますが)。

以降、足元の2021年までマーケットの成長率は鈍化し続けていますが、指数自体は緩やかに上昇しています。ただ、パンデミック下で2021年第一四半期は、1年間では辛うじて成長を維持したものの、前四半期ベースではマイナスを記録しました。

 

なお、NAPICのウェブサイトからは、州別での住宅価格指数なども見ることができますが、投資対象として真っ先に思い浮かぶ首都クアラルンプールは、実はパンデミック前から下がり続けていたりすることが分かります。

これ、昔はこんなに丁寧に統計データがなかったことを思うと、ちゃんと検討しようと思えばウェブで様々なデータが入手しやすくなりました。現地にいるわけじゃない以上、感覚やら人が言うことやらに頼り切らず、こうしてデータを当たってみる行動は基本だと思っています。

なぜ今年が最良なのか?

上記の指数の推移から、なぜ今年が最良と言えるのか。現地に住んでいない、外国人の個人投資家としての立場では、まだ「見」の段階にしか思えません。

しかしながら、現地の専門家は言います。

There’s a lot of pent-up demand from investors, investment houses and people who refrained from investing last year.

ここで注意が必要なのは、その需要は過去に比べて多いのかどうか、供給に対して十分に多いのかどうかという情報はない、という点かと。

また、別の専門家はこのように言っています。

“It’s an absolutely great year to buy your first home, as well as upgrade and invest. The timing of the market is perfect. Just like buying stocks, it is best to buy when prices are low.

安いときに買っておくという理屈自体は納得がいきますが、価格が十分に低いのかどうかを判断することはできません。

上記と同じ資料から別の指標を見てみます。

 

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(NAPIC: Snapshot Q1 2021より転載)

 

これは2021年第一四半期中に新たに売り出された住宅の販売状況を示しています。ハイライズは2,250戸が売り出されて121戸が成約し、Landedは3,669戸が売り出されて805戸が成約しています。

直感的に、外国人個人投資家が検討しやすいハイライズの売れ行きはまだ鈍いと感じます。時系列で示してくれているデータがないので、僕の感覚が市場が活況だった時の数字に引き摺られてしまっている恐れはありますが。

なお、取引件数を見てみると、2021年第一四半期における取引件数は、ほぼ2019年第一四半期と同レベルに戻ってきており(前年同期比では10%強の増加)、この点からは確かに動きが戻ってきている、と言えそうです。

マレーシア不動産投資で気をつけるべき点

記事からは離れますが、一般論として外国不動産投資の際に留意するべき点とは別に、マレーシア特有の事情について簡単に触れておきます。

最低購入可能価格の制限がある

マレーシアは、東南アジアの中では、外国人でも土地を単独で所有できる稀有な国ですが、最低購入可能価格に制限があります。なので、周辺諸国と比べると、投資金額が多額になりやすいです。

また、これは購入した後に引き上げられるケースがあります(逆もありますが)。最低可能価格ぎりぎりの物件を買ったりすると、出口戦略で選択肢が狭まる可能性があります(例:外国人に転売しようと思っていたのに、現地のマレーシア人にしか売れなくなるなど。前回の投資ブーム時に起こりました)。

州によって規制が違う

特に上記の最低購入可能価格の設定が州によって異なっています(保有するVISAの内容によっても異なるケースも)。なお、現時点では、最低購入可能価格は原則60万リンギット(約15万米ドル)です。

州政府からの許可が個別に必要

普通に個人投資家が購入するというケースで否決されることはないと聞いています。なので、こんな手続きも必要だというくらいの認識で大丈夫でしょう。