知磨き倶楽部

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【日本】赤坂エクセルホテル東急の張り紙問題の英文報道記事

日本の報道でも取り上げられている内容を、英文ではどのように発信されているかを見ておくのは大事なことだと思っています。特に「人種差別」などの話題については、日本人は諸外国(特に欧米系)の人から見ると鈍感に見えているようです。

 

今日は、日本の報道でも取り上げられている「赤坂エクセルホテル東急における張り紙」の記事をロイターによる英文記事で読んでいきます。

www.reuters.com

日本国内の話題でも英文記事の方が詳細

今回取り上げられているのは「赤坂エクセルホテル東急のエレベーターで『日本人専用』『外国人専用』とする張り紙が差別的だという批判」というものです。

「赤坂エクセルホテル東急」でGoogle検索するとYahooニュースなどをはじめとする日本の媒体でも取り上げられていますが、新聞休刊日だからか、大手新聞各社の記事は見当たりません。日本時間の7月12日午後6時時点で、検索で引っかかってくる記事は5件、乙武氏による批判を取り上げた記事が別途1件でした。

記事の内容もロイターによる英文記事の方が若干詳細で、辛辣な印象を受けます。

日本語媒体では見られない記述

(現時点で)日本語媒体で報道されている記事も見てましたが、ロイターの記事で触れている以下の内容(今回の発覚の経緯とSNS上での反応)に言及している記事はありませんでした。

The signs triggered harsh criticism on social media, with one Twitter user tweeting "Apartheid has been revived in Japan".

Another likened the signs to U.S. "Jim Crow" measures, since struck down by courts, designed to keep Blacks from voting in the U.S. Deep South.

"The virus has nothing to do with nationality," tweeted Twitter user Anna.

なお、ロイターの記事で言及されているツイートを見つけることは出来ませんでした。ただ、別の英文媒体ではヘッドラインに「rapped」など、かなり強い表現を使った記事も見受けられます。

想像力が足りない

個人的には、ホテル側に差別の意図はなかったと思っていますが、それにしても想像力が足りなすぎて、乙武さんのコメントではないですが、お粗末過ぎます。

東京2020組織委のマニュアルが求める「他の宿泊客など、選手等以外の者との接触を避けるための措置を取る」という内容に沿うのであれば、第一感で出てくる掲示は「オリンピック関係者専用」でしょう。まあ、ぱっと見て分かるわけじゃないし、実効性のほどには疑問がありますが、それがマニュアルの求めることでしょうし、あとは利用者の良識に期待するしかないですよね(オリンピック関係者は、他の宿泊客と一緒にならないよう、自ら最大限の注意を払っていると思います)。

残念ながら、差別の意図がなかったにせよ、今回ホテル側が掲示した内容が東京2020組織委のマニュアルに沿っていたようにも思えません。外国人は全員「選手等」に該当するという判断なのでしょうか。

 

ちなみに、僕なんかは日本人ですけど、海外から渡航していくことになります。そういうケースでは「日本人専用」だったんですかね。14日間の自主隔離を求められている以上(交通手段さえ確保できれば赤坂エクセルホテル東急に泊まれちゃう仕組みにはなっている、一応)、それはそれでまずいんじゃないかと思いますけどねぇ。

 

これ、現場の責任者っぽい方が記者からの質問に対応しているように読めますが、

the hotel was now discussing with its headquarters what expression to use instead.

とあります。元もとの張り紙の内容も、本社指示だった可能性ありますね。

 

こんな時期でのオリンピック関連対応に現場が大変であろうことは想像に難くありませんが、普段から外国人のお客様の利用も多いであろうホテルだけに、ほんのちょっとの想像力があれば、こんなことにはならなかっただろうに、、と思います。

SNS上で拡散している張り紙

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