知磨き倶楽部

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【本の紹介】ゲームに纏わる思い出あれこれ(川島明 著『ぼくをつくった50のゲームたち』)

普段から巡回しているサイトの一つBangkok Postで、任天堂が自社のゲームなどを展示する博物館をオープンする計画を公表したとのニュースを見ました。

www.bangkokpost.com

ニュースのタイトルが「Let's-a go!」で始まるのが、なんだかとても嬉しくて。やっぱり日本の発信するゲームコンテンツには根強い人気があるんだろうなぁと思ってみたり。新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからないタイですが、日本への旅行人気は高く、早く行けるようになるといいよね!という願いも込められているように感じてしまいました。

※ 本記事執筆時点では、タイからの外国人の日本入国は原則できませんが。

 

任天堂のゲームコンテンツを頭に浮かべていたら、最近読んだ『ぼくをつくった50のゲームたち』を思い出しましたので、ちょっと自分自身のゲームに関する思い出を振り返りながら、紹介します。

本書を読む前に 

著者は漫才コンビ麒麟」の川島さん。実は、そう言われても僕には全然ピンとこないのです、申し訳ないですが。相方の方の本は以前話題になっていたようですね。そちらは興味持てなかったので読んでいませんが。

 

この本は、著者が1979年生まれということで、僕とほぼ同年代(僕のほうが少し上ですが)。つまり、川島さんをつくったゲームたちの多くが、僕が通ってきたゲームたちと重なるであろうことが想像できます。 

案の定、目次を見ただけで、もう期待が高まります。

エキサイトバイクハイパーオリンピック、ベースボール、テニス、、、どれも懐かしさでいっぱいで、思わず僕も振り返ってしまいます。

僕の少年期(第一部:川島明の少年期に重ねて)

任天堂から「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)が発売されたのが1983年。

我が家はそれほど裕福な家庭だったわけではないのですが、周りの友達に比べても、かなり早い時期に両親が買ってくれた記憶があります。僕は幼少期の記憶がかなり薄れているのですが、1983年末には転校というイベントがあったはずで、その前に買ってもらえていたはずです。

 

ただ、強烈に記憶に残っているのが、最初に買ってもらったソフトが「ポパイの英語遊び」だったこと(涙) あれはきつかったなぁ。。まあ、両親も割と早い段階で気がついたのか、すぐに「ドンキーコングJr.」を買ってもらえたように記憶しています。

 

本書に登場するゲームの中で、僕も友達と一緒に相当盛り上がってやりこんだのが「ハイパーオリンピック」です。本ではアーケード版にまつわる話が書かれていますが、当時の僕にはゲームセンターでゲームをするなんて経験はなく、僕がハイパーオリンピックを経験するのは1985年にファミコンへ移植されてからのこと。

専用コントローラが同梱されているのが非常に熱く、著者がアーケード版で書いているのと同じく、当初は必死で指や爪でボタンを擦っては痛い思いをしていたのに、あっという間にコインやライターの端でボタンを擦ったり、定規の反動を利用してボタンを連打したりという段階へと移行し、とんでもない記録を連発しては友達と一緒に盛り上がりました。

 

もちろん、国民的大ヒットシリーズとなる「ドラゴンクエスト」の記念すべき1作目も、川島少年と同じように、少年時代の僕を夢中にさせました。

ゲーム内容もさることながら、どうしたって思い出深いのは「ふっかつのじゅもん」です。「ふっかつのじゅもんがちがいます」のメッセージが画面に流れたときの喪失感半端ない(涙) 「め」を「ぬ」に変えて入力し直してみたり(笑) あれで多くのの子供たちが「字をきれいに書く」ことの意義を感じざるを得なかったはずです。

 

この時代、本書には登場しないものの、僕は友達とはまりまくったゲームがありました。一つは「バルーンファイト」、そしてもう一つは「ボンバーマン」。「アイスクライマー」も忘れられませんが、要は二人協力プレイで進んでいくのではなく、対戦型で友達同士で盛り上がるタイプの走りと勝手に思っているソフトたち。

当時の単純なゲームでは、やり込んで相手よりも操作が巧くなる、ということに力を注ぐほどではなく、ただ無心で楽しめたのがいい思い出です。

僕の思春期~青年期(第二部:川島明の思春期、第三部:川島明の青年期に重ねて)

ただ、中学生から高校生くらいまでの間、僕の中ではあまりゲームの記憶がありません。部活動やらスイミングスクールやらで家にあまりいなかったりで、友達と集まってゲームをするという機会が減っていったことも関係あるかもしれません。友達と家で集まる=麻雀という時期でもありました。

なので、本書の第二部(川島明の思春期)以降で登場するゲームから経験を共有できるゲームが極端に減っていきます。それでも読んでいて楽しいのは、本書のすばらしいところ。

 

辛うじて「ストリートファイターII」は大学に入ってからやりましたが、この時点ですでに、「技を出すための操作をキャラクター毎に覚えるというのが性に合わないなぁ」と感じ始め、以降同様のゲームには手を出していません。今の格闘ゲームなんかと比べれば、まだまだシンプルな操作だったんだろうとは思いますが。

ただ、プロレス大好きな友人に「ファイヤープロレスリング」はめちゃめちゃやらされました。この時代のレスラーだけ、やたらと顔と名前、技が一致したりします(汗)

ちなみに、格闘系といえば、最近、子供と一緒に「スマッシュブラザーズ」をやりましたが、キャラクターが大幅に増えるわ、ボタンは多いわ、反射神経は鈍くなってるわ、で全く相手になりませんでした(涙)

 

そのほか、大学時代には特定の友人と「SDガンダム」で盛り上がったり、「ボンバーマン」シリーズの当時の最新作で盛り上がったりすることはありましたが、第三部で紹介されているゲームは、今に至るまで一つもやったことがないですね。

 

青年期と言える時期に一番はまったのは「ウルティマオンライン」。これは今の妻と、まだ結婚前から一緒にプレイしていて、休日には二人してパソコンの前から動かずにゲームをしていた日々が懐かしく思い出されます。

僕の壮年期(本書を越えて)

最近は、わざわざゲーム専用機を買うという情熱も沸きません(妻と息子は、それぞれ専用の任天堂スイッチを持ってますが)。ただ、ゲーム自体は好きなので、もっぱらアプリ専門です。

 

本書で登場するゲームのシリーズ作である「アプリ版ウィニングイレブン」はここ数年やってましたし、別記事で紹介したように、リズムゲーの「プロジェクトセカイ」にもはまっていたりします。

chimigaki.hatenablog.com

 

基本的には、もうやり込みが必要になるようなゲームというのは、根気も続かないし、そこまで魅力を感じなくなってきてしまいました。

唯一の例外は将棋ですかね。。やり込み、というか、将棋では「勉強」と言うのでしょうけど、それが足りないから強くならないんですけどね(涙) プロが配信する動画が増えてきたこともあり、「観る将」成分の方がかなり高くなっています。
chimigaki.hatenablog.com

 

まとめ(という名の、本書の薦め)

本書に触発されて、自分の中でのゲームとの関わりを振り返ってみました。特に著者と年代が近く、多少なりとも学校帰りに友達とゲームをやったとかいう経験があるような人であれば、本書はかなり楽しめるのではないかと。さすがは漫才師と言うべきか、単純にエッセイとしても楽しいので、取り上げられているゲーム自体をやったことがなかろうと、同じような空気感を共有した経験があれば十分です。

 

僕はいろいろ過去にやったことのあるゲームを思い出させてくれて、エッセイとしての楽しさの他にも、記憶を手繰りながら思い出を楽しむというきっかけも作ってくれた一冊で、読書を超えて満喫させてもらいました。

ゲーム大好き中学生に育った息子にも、読ませています。単にゲームをやるんじゃなくて、こうやって後から語れるような経験もして欲しいなという、親の勝手な願いを込めて。

 

ぜひ、手にとってみてください。