マレーシア: 成長予測を引き下げ ー パンデミックにより回復が遅れ
マレーシアは東南アジアの中でも、COVID-19による国内の移動やらの規制が厳しい国の一つだと認識しています。
長らく買い物に行くのも一人しか認められず、帰国するために空港に行くにも事前の申請というか許可というかが必要だったとか。
そんな中、マレーシアの中央銀行は2021年の経済成長率を6.5%~7.5%と予測していましたが、COVID-19の影響が長引いていることを鑑み、今回は予測を少し引き下げたというニュースです。
隣国のニュースを伝えるシンガポールの媒体と、自国の媒体とではヘッドラインのトーンが違うのが印象的だったので、2つとも掲載しておきます。なお、The Star紙の方は、予測のベースとなる主要因も述べていて、そこはやっぱり当事国の媒体だなと思います。
こういう経済成長予測の記事を読んでいて、COVID-19禍で目に付くようになった単語が"contract"です。契約という名詞がぱっと頭に浮かぶ基本単語レベルですが、動詞として「収縮する」という意味があるんですね。マイナス成長を示す国が多くなった昨年から、目に付くようになりました。
また、マレーシアの中央銀行は"Bank Negara Malaysia”です。
マレーシア中央銀行は、従前発表していた2021年の経済成長率予測6.5%~7.5%を、今回の発表で下限を少し下げて6.0%~7.5%へと修正しました。
なお、1月の経済成長率は前年同月比でマイナス3%で12月の数値よりも悪化し、エコノミストの予想では、2月の経済成長率もさらに悪化するだろうとのことです。ただ、3月からは回復の見通しがあるとか。
The Star紙の記事によれば、回復を牽引するのは、大規模なインフラ整備を軸とする公共投資、民間消費、民間設備投資としています。国外からの影響(観光客とかFDIとか)に頼る部分が主要因にないのは強みのように見えます。
ちなみに、先日記事にした世界銀行による東アジア・大洋州のレポートを見ると、世界銀行はマレーシアの2021年の経済成長率を6.0%と予測しています(2020年はマイナス5.6%とひどいダメージを受けました)。
東南アジア諸国の中では、COVID-19のワクチン接種も比較的順調に進んでいるように見えるマレーシア。
どの国も予断を許さない状況にあるのは間違いないわけで、引き続き状況はウォッチしていきたいです。
この写真はもう随分前に撮影したものですが。。