知磨き倶楽部

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子供に伝えたい3つのポイント - 子供と読書 - 算数が好きになる本

「算数が好きな人、手を挙げて」

こう聞かれて迷わず手を挙げられる小学生男子ってどれくらいいるのでしょうか?

僕自身を振り返ると、当時の僕が手を挙げたはずはないですし、現在小学4年生の息子に聞いても「好きでも嫌いでもない」との答え。「嫌い」と言わないだけでも、こやつ、なかなかいいのではないかと思ったり(バカ親)。

 

算数とその先にある数学というものは、ずっと付いて回ることになるわけですから、「嫌い」でいるよりは「好き」でいられる方が、精神的にはずっと健全です。好きでも嫌いでもなくとも、「好き」になれるならば、それに越したことはありません。

 

何がきっかけで「好き」という感覚を抱くようになるのかは分かりませんが、息子のKindleに勝手にこんな本を突っ込んで、僕も読んでみましたよ。

僕が思うに、この本をぱっと見て読んでみようと思う子供(小学生)は、すでに算数が結構好きな子供なんじゃないでしょうか。普通の子供は自発的にこんな本を読んでみようとは思わない(算数が好きになりたい!と思わない)ような気がします。

ということは、僕がいかにこの本が良かったことを、簡潔に息子に伝えてあげて、読んでみてもいいかなと思わせなくてはいけないということですね!

 

・・・

結論から言いますと、この本を読んで算数が好きになる小学生というのを想像しづらい(汗)

漢字に読み仮名も振ってありますし、言葉遣いも小学生を意識した語りかけるような文体で読みやすいのは読みやすいです。

後半の図形のところは小学生には少し難しすぎますが、おしなべて例題も難しすぎず、読み進める障害になるものではないでしょう。

 

ただ、これで好きになるなら、教科書で学んでいる段階で、すでに算数が好きになっているのでは・・・という印象です。無理やり読ませて効果があるようには思えないですね。

 

というわけで、子供に読んでみてもいいかなと思わせるための紹介よりも、これから子供の勉強を見ていく中で、繰り返し伝えていきたい本書のポイントを3つほど紹介させていただくことにします。

 

1、算数でいちばん大切なのは、「わかりやすい説明をする力」

これは最も大切なポイントなのですが、教える側にも教わる側にも、きちんと時間を取れるだけの余裕がないと、なかなか確認しながら進むことが難しいところです。

僕が、初めて数学が好きというか面白いと思ったのは、中学生くらいで証明問題を倣った頃です。証明の道筋を一つ一つ順序だててきちんと書いた答案の美しさにすっかり惹かれました(笑)

 

どうしても早く問題を片付けてしまいたいときには、式だけ書いたり、式さえ省略して答えだけ書いて済ませてしまいたくなる気持ちは痛いほどに分かりますが、なぜそうなったのかを、一つ一つ説明する(させる)ようにしたいものです。

「わかりやすい説明」ができるかどうかは、大人になって、もの凄く大事なことになるわけですから。

 

2、算数は数字などを用いて客観的にきちんと説明することが大切

上記のポイントに似たことですが、我が子に特に強調しておきたいのは「客観的に」「きちんと」というところ。

 

やっぱり面倒くさいというのが先にたってしまうのでしょうが、計算式の途中を省略してしまうことが多々あります。だいたいは最終的に答えが合っているわけですが、たとえ合っていようとも、口を酸っぱくして途中の計算式を省略しないように言い続けないといけません。

 

どう計算したのか、間違った場合はどこで間違ったのかが、後から見た僕が「説明されなくても分かるように」書いてもらうこと。この訓練は基礎力を大きく上げるはずなんです。

 

単純に、一つ一つ綺麗に書かれた式でノートが埋まると気持ちがいいはずなんだとも思うんですけどねえ。。

 

3、図をきれいに描くことで考えるポイントが見えやすくなる

ベン図にしろ線分図にしろ、きれいに描けばポイントどころか答えまで朧げに見えてきてしまうくらいの威力があるわけですが、これも小学生男子には面倒くさい。

図を描いて考えよう!と言われたって、くしゃくしゃっと隅っこに書いて終わりにしてしまったりします。

しかし、先に進めば進むほど、グラフも含めて、フリーハンドで綺麗に描けるようになることは、問題を理解するにおいて大切なポイントになりますし、ぜひ子供に身に付けて欲しい習慣の一つです。

 

そんな面倒くさがりな子供に見せてあげなきゃいけないのは、きれいに図を書いた場合の威力ですね。

線分図を描いて何度かやって見せたものの、まだまだ息子の心に響くほどではなく、図を書く威力を感じてもらえていないところが悲しいところですが。

 

 

本書を読んで自分を振り返ってみると、「綺麗に整然と解法が描かれたノートを自分で作れた」ということが、そもそも僕が数学を楽しく感じるようになったきっかけだったのだろうということに思い当たりました。

結果として算数が好きになってくれればそれに越したことはないけれど、とにかく基本的なところを繰り返し習慣として身につくまで言い続けるしかないな、というところですかね。

 

対象となっている子供自身が読むよりも、親が読んで子供への助言の仕方を考える一助にする一冊だと思います!

 

■ 編集後記

今、息子は学校で「Prodigy」というプラットフォームのアカウントを取ってゲームをしながら算数の練習をしているようですが、これが結構楽しそう。

世の中すっかり変わって勉強のためのプラットフォームは多様化し、子供たちが勉強させられていると感じずに勉強できていく仕組みがたくさんあります。

僕は個人的にはスパルタ路線も嫌いじゃないですが、楽しいが何よりですね。

www.prodigygame.com