知磨き倶楽部

書評及び海外ニュースの紹介等を中心とした情報を発信します

Taka、将棋始めるってよ -子供と読書- 羽生義治の将棋を始めたい人のために

中学生棋士藤井聡太四段(本記事執筆時点)の大活躍で、今年の半ば頃から俄かに将棋が盛り上がっています。 藤井四段が連勝記録を伸ばしていた頃は、テレビ番組(朝の情報番組)でも将棋のことを取り上げる機会が多かったですが、その中で「将棋ウォーズ」というアプリが紹介されたことがありました。 

将棋ウォーズ

将棋ウォーズ

  • HEROZ
  • ゲーム
  • 無料

まあ、一言で言ってオンライン対戦の将棋アプリなのですが、子供が急に将棋に興味を示したことと、私自身も急にやってみたいという衝動に駆られたので、 ちょっとばかり子供と一緒に将棋でも覚えてみようかと思った次第。

 

駒の動かし方くらいは分かるけど。。という超初心者状態からの出発ですので、まずは入門書でも読んでみないとお話になりません。

僕の世代で将棋と言えば羽生義治氏なわけですが、7月頃に久しぶりに日本の書店を覗く機会があった際に将棋本関連コーナーで、氏の書かれた入門書が目に付いたので、息子と一緒に読みながら基本を学ばせていただきました。

 

羽生善治の将棋を始めたい人のために

羽生善治の将棋を始めたい人のために

 

 

まずは目次から。

第1章 まず覚えたい基本編

第2章 将棋の流れを知ろう

第3章 駒の使い方 一番多い「歩」を上手に使う

第4章 駒の使い方 駒の特徴を生かして勝つ

第5章 「詰み」がわかれば将棋が2倍楽しい

第6章 「詰めろ」を知れば「寄せ」が見える

第7章 得意な「戦法」を持つと強くなる

第8章 強い「囲い」の作り方と攻略法

第9章 羽生流収束術できれいに勝つ!

 

本書は「入門から中級までの指し方が1冊でわかる!」と銘打たれています。 中級というのがどの程度のレベルを想定されたものなのか分かりませんが、僕や息子と同じように駒の動かし方くらいしか知らない、という人には、一冊目としては少しばかり難しめのところかもしれません。

実際には、どの本がいいのかわからなかったこともあり、本書以外にもこんな本を同時に読みました。 

 

 

羽生善治のみるみる強くなる将棋 終盤の勝ち方 入門 (池田書店 羽生善治の将棋シリーズ)

羽生善治のみるみる強くなる将棋 終盤の勝ち方 入門 (池田書店 羽生善治の将棋シリーズ)

 

 

なお、本書は「子供に負けたくないし…」と僕が自分用に買った一冊なので、お子さま向けでもないような気がします(振り仮名などがありません)。 ただ、我が家の息子は負けたくない一心で、本書も繰り返しむさぼり読んでいますので、子供も惹きこんでしまった一冊として、本書をご紹介しようかと。

 

 

冒頭にご紹介したオンライン将棋アプリの将棋ウォーズでの対戦成績くらいでしか自分の上達を感じることはできませんが、本書を読む前には適当に駒を動かすことしかできずに4割弱くらいしか勝てなかったものですが(レベルに応じて相手が選ばれるようで、相手の方も似たような棋力だったのかと)、本書を読んで先方やら囲いやら意識するようになると、5割弱程度にまで勝率が上がりました。

 

そういう点で見ると、本書のみとは言いませんが明らかに初心者の棋力向上には資する一冊だと言えます。初心者レベルであれば定跡を知っているだけで勝ててしまうこともありますし、勝ちたければ読んでおけ!ということでしょう。

 

ただし、対戦アプリでは段々と相手の棋力も上がってきますので、手筋なり囲いの崩し方なり覚えていかないと頭打ちになるのは早いです。 少しでも勝率を上げるために、僕は本書では第7章(戦法)と第8章(囲い)を繰り返し読みました。 本当はいろんな戦法を縦横無尽に使いこなしたいところですが、自分の得意(にしたい)戦法に絞って読み込んでやり込んでみるとよいでしょう。

本書を読み込んで勉強していくだけでも、将棋連盟の3級の認定証をいただける程度にまではなれると思います(というか、なりました)。

 

 

将棋連盟の3級というレベルが果たして本書でうたう「中級」に当たるのかというと、正直僕はまだまだ「初級」でしょう。 そういう意味で、まだまだ本書を読み込む余地があるでしょうし、それくらいには長く読み込みながら使っていける本なので、大変お得な一冊だと思います。

 

始めてみると、子供を置き去りにしつつアプリでのオンライン対戦にのめり込み、自分で想像していた以上に将棋が面白いと思えるようになりました。 僕のように、たとえきっかけがミーハーであろうとも、良書を片手にはまってみるのも良いと思いますよ。

 

なお、子供も本書を読んでは戦法やら囲いやら覚えてきていて、今はまだ負けなくとも、ハンデ戦では相当いい勝負になってきていますので、いずれ負ける日がやってきそうです。 親の威厳を保つためにも、今後ももっと定跡書など読み込んで実力アップに励みます。

 

羽生善治の将棋を始めたい人のために

羽生善治の将棋を始めたい人のために

 

 

■ 編集後記

オンライン対戦ということでこれまで使わせていなかったのですが、最近になって息子のタブレットにも将棋ウォーズをインストールしました。

親とばかりやっていては緊張感がなくなるなと思ったことがきっかけですが、相手の顔が全く見えないオンラインでは容赦もないし、結構洗礼浴びているようです。

「これで将棋やらなくなったらどうしよう」と心配はしているものの、それならそれまで、と割り切って見守ることにします(勝ちたければ本に戻って色々試しなさいよ、という程度には助言しますが)。