知磨き倶楽部

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2018年3月の読書メモ

2018年3月の読書メモをまとめてご紹介しておきます。

19冊ほど読みましたが、全体的に軽い小説(というか文字通りラノベも多々含む)が多い月でした。もう少し重めの本の割合を増やしたいかなと。

 

あえて3冊だけお気に入りを挙げておくとこんなところです。 

SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。

SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。

 
ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

 

 

 
ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメントジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント感想
副題の「役職も部署もない」というのは目指したことがあるけど、結局うまくいかなかった(少人数の組織だったのに!)。何が足りなかったのか、本書を通じて何となく見えてきた気がする。では、今の東南アジアの会社で出来るだろうか? この役職と自分の所属を日本人以上に気にする人たちと一緒に。ハードル高いなあ。個人的にはメンローの哲学というか考えには賛同してる。取り入れられるもの(デイリースタンドアップミーティングとか)から「哲学」も共有しつつやってみたい。
読了日:03月02日 著者:リチャード・シェリダン


りゅうおうのおしごと!4 (GA文庫)りゅうおうのおしごと!4 (GA文庫)感想
今回は女流の大会と竜王挑戦者決定戦の二つを軸に。無双を繰り広げるあいと天衣も成長しているけれど、八一の棋力の成長ぶりもしっかりと印象付けた回だった。明らかに羽生永世七冠がモデルとなっている名人=神。記録のあたりなどは現実もかなり踏襲されているけど、さてこの先どうなるのかなぁ。楽しみ楽しみ。
読了日:03月02日 著者:白鳥 士郎


ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ 2 日本人が知らない101の疑問 (SB新書)ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ 2 日本人が知らない101の疑問 (SB新書)感想
「世界史」という味付けが薄すぎる。もっとエッジを効かせてくれないと、残念ながら池上彰さんの劣化版という印象しか持てない。これからの予想など書かれても納得感がないというか、ブログレベルというか、ワイドショーのコメンテーターのよう。前作はもう少し良かったと思っていたので期待しすぎたか?
読了日:03月04日 著者:茂木 誠


サッカーボーイズ 再会のグラウンド (角川文庫)サッカーボーイズ 再会のグラウンド (角川文庫)感想
小学6年生の少年サッカーチームを舞台にした爽やか青春モノ。小学生向けのものもあるけど、通常版を息子ともども読んでみる。題材がサッカーだけに息子の読むペースも速い。漢字へのルビは少ないが問題ない模様。大人たちのほろ苦い青春が子供にどう響くのかは分からないが、捻りもないので大変読みやすい。
読了日:03月04日 著者:はらだ みずき


ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)感想
シリーズ物の第1作。藤堂比奈子刑事は特異な記憶力を持つほぼ新人の女性刑事。実態は内勤ばかりだったが、初めて関わることになった事件がなかなかに変わった猟奇的な事件で。。過去の事件と結びつきつつ、事件は悲しい方向にまで広がっていってしまう。途中で関係者の関わりが何となく予想はついてきたものの、テンポ良く進む物語に読む手が止められなかった。妻も読むので、感想次第ではシリーズの続きも買おうかな。
読了日:03月04日 著者:内藤 了


りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)りゅうおうのおしごと!5 (GA文庫)感想
竜王戦七番勝負。その流れは現実の初代永世竜王を懸けた名勝負を思い起こさせる流れ。まあ、八一は二期目を目指す段階で、永世位はまだまだ先の話だけど。それにしても、愛弟子あいちゃんとの関係といい、姉弟子銀子との関係といい、まるで物語を終わらせようとするかのような畳み掛け方で(実際、当初は5巻を予定していたそうで)、読む側としても熱くならないわけがない盛り上がり。「感想戦」も「え?」となる展開が待っていて、丸ごと楽しめた。
読了日:03月04日 著者:白鳥 士郎


わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)感想
Kindle Unlimited。そもそも読解力っていったいどうしたらつくのかに興味を持って読む。知ってる話もあったが、確かに「わかったつもり」で済ませてしまう場面は多いと思い当たる。実はこの本を読んだ自分も、ある種のスキーマを当てはめて読んでいるだろうから、「わかったつもり」になってしまっているところがあるのでは。厄介なのは、自分での判断が出来ないことだ。。
読了日:03月06日 著者:西林 克彦


犯罪者【上下 合本版】 (角川文庫)犯罪者【上下 合本版】 (角川文庫)感想
シリーズ物の第1作。著者のデビュー作でもあるとのことだが、骨太で面白い。僕は知らずに第2作から読んだので、多少展開で先が見えている部分もあったけど、そんなこと関係なく話に引き込まれる。これはミステリーが嫌いじゃなければ読んでおかないと損。
読了日:03月08日 著者:太田 愛


りゅうおうのおしごと!6 (GA文庫)りゅうおうのおしごと!6 (GA文庫)感想
竜王戦防衛後の今回は姉弟子の銀子を中心とした話。銀子視点と八一視点が入れ替わりながら展開されて、今まで以上に銀子が好きになる。奨励会の3段編入試験とか、AIと棋士の話とか、色々棋界関係の話題が入っていて、やっぱり面白い。お色気要素は今までよりちょっと多め。ラノベとしては標準かもしれないけど、個人的にはもっと将棋のことに振り切っちゃって欲しい。。
読了日:03月09日 著者:白鳥 士郎


爆笑問題・パックンの読むだけで英語がわかる本 (幻冬舎文庫)爆笑問題・パックンの読むだけで英語がわかる本 (幻冬舎文庫)感想
爆笑問題好きならいいかもしれないけれど、「英語」という側面からは物足りない。底本も古いのでその点にも留意が必要。個人的には得るものはなかった。対象レベルは中学英語は習ったけど、強烈に「英語」にアレルギー感じちゃってるような人かな?
読了日:03月11日 著者:爆笑問題,パトリック・ハーラン


SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。感想
なるほど、絶賛される理由が分かる。ナイキの共同創業者によるナイキ創成期を中心とした話。本書の半分くらいまで「ナイキ」すら出てこない。この時期に、色んな意味で日本の会社が大きな影響を与えたとは知らなかった。一つはオニツカタイガー、もう一つは日商だ。順風満帆だったことなどなく、闇雲に進んでいたように見える面もあるが、ナイト氏は決して立ち止まらなかったし、なによりも信念に基づいて行動し続けたことの結果だったのだろう(もちろん運も大事)。小説よりも熱くなる。
読了日:03月14日 著者:フィル・ナイト


瑠璃の雫 (角川文庫)瑠璃の雫 (角川文庫)感想
物語の背景を流れるのは検事の娘の誘拐事件。物語を動かすのはアル中の母親を持ち、鬱屈とした気持ちを抱えて毎日を過ごす当初小学6年生の美緒。最初、この美緒のことが好きになれず読むのがやや苦痛だったが、読み進むうちに嫌な気持ちはなくなる。一気に読みたいくらいには先が気になる展開だが、今ひとつ入れなかったのは何故だろう。
読了日:03月15日 著者:伊岡 瞬


むすびや (双葉文庫)むすびや (双葉文庫)感想
就職活動に失敗して、家業のおにぎり屋で見習いをすることになった結(ゆい)。おにぎりを通した人情話や結自身の内面の成長などをほっこり描いた優しい小説。気持ちも優しくなれるけど、これは「むすびや」のおにぎり食べたくて仕方なくなる。脱サラ飲食店系では『東京バル』が面白かったけど、こっちも違った意味でいい小説(主人公が脱サラしたわけじゃないから、そもそも違うけど)。真心を忘れずに、今やるべきことに腐らず取り組むんだ、という気持ちにもなれる(かも?)。
読了日:03月15日 著者:穂高明


ゲームウォーズ(上) (SB文庫)ゲームウォーズ(上) (SB文庫)感想
近未来。世界は仮想現実オンラインゲームをベースにしたものになっている。それを作り上げた億万長者は、自身の死の際にとんでもない遺言を残し、多くの人が莫大な財産を夢見て仮想現実世界に隠されたお宝を探す。。そんな世界が80年代のサブカルチャーで彩られているので、おっさん世代には堪らないノスタルジーを感じつつSFを楽しめる。世界設定も入り込みやすいし、ここまでのところ想像以上に面白い。
読了日:03月19日 著者:アーネスト・クライン


ゲームウォーズ(下) (SB文庫)ゲームウォーズ(下) (SB文庫)感想
最後までノンストップで面白い。アメリカの小説なのに日本の80年代サブカルが出てきて、40代の僕にはドンピシャ。主人公や仲間たちがティーンエイジャーだし、本来はその年代の子たちが楽しめるヤングアダルトに分類されるべきなのかもしれない。勧善懲悪型で分かりやすいし、思わずニンマリするエンターテイメント小説として幅広くおススメ。
読了日:03月20日 著者:アーネスト・クライン


藻屑蟹(第1回大藪春彦新人賞受賞作)藻屑蟹(第1回大藪春彦新人賞受賞作)感想
原発事故後の避難民や原発作業員をテーマに据えた作品。選評にもあるけど色々批判が出やすいテーマを批判されやすい形で扱ったなと。個人的には原発事故後を語る言葉は持っていないけれど、小説としては引き込まれて最後まで引っ張られた。善悪で語れないところが重たい。
読了日:03月21日 著者:赤松利市


子どものやる気を引き出す7つのしつもん スポーツメンタルコーチに学ぶ!子どものやる気を引き出す7つのしつもん スポーツメンタルコーチに学ぶ!感想
息子がサッカー好きで学校のクラブなどにも入っているが、親の贔屓目で見てもレベルが高いとは言い難い。それでも好きで楽しいならと思いつつも、やはりゲームを観戦に行くとつい「できない」点に目がいってしまう。勉強でも同じ。将棋でも同じ。子供のやる気を引き出す言葉をかけてあげられていたかと言えば、本書を読んで反省させられること頻り。そうなんだよな、やっぱり子育ては「忍耐」。グッと堪えて子供を「観て」あげないといけない。
読了日:03月21日 著者:藤代 圭一


絶深海のソラリス (MF文庫J)絶深海のソラリス (MF文庫J)感想
百数十年後、突然の海面上昇によって多くの陸地が海の底に沈み人類の数も激減した。一方で、水の中で生きられるミュータント人類も誕生し、彼らは「水使い」と呼ばれている。という背景で話が進むが、正直もう少しディティールに凝って描写して欲しいかな。世界の作り込みが浅いんで今ひとつ没入感が得られない。それでも続巻読んじゃうのはなんでだろう?
読了日:03月22日 著者:らきるち


絶深海のソラリス II (MF文庫J)絶深海のソラリス II (MF文庫J)感想
前作から2年後の話。世界は「アンダー」の襲撃を受けて為すすべもないというに近い状態。突然発生したかに見えるアンダーの秘密を知る山城ミナトは戦っていた。ただ、やっぱり物語の背景ディティールの書き込みが足りないので消化不良な感が否めない。続きそうな終わり方だけど、これ続くかなぁ。
読了日:03月23日 著者:らきるち

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