知磨き倶楽部

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深センープノンペン直行便が新たに就航 - ニュース深読み - Another Chinese airline begins flights to Phnom Penh

本日Tweetした東南アジア関連ニュースを一つだけ取り上げて、(僕の)英語の勉強も兼ねて日本語訳にした上で、背景や周辺事情などコメントします。

今日のニュースはBangkok Postで読んだカンボジアに関するニュースです。

 

 

<記事全文日本語訳>

さらに中国系航空会社がプノンペンへの運行を開始

深センエアラインのカンボジアへの第一便が水曜日にプノンペン国際空港に着陸し、活況のカンボジア航空市場で運行する7番目の中国系航空会社となった。

 

深センエアラインの処女飛行は、午後、中国南東の巨大都市である深センから161人の乗客を乗せて着陸した。

 

Khmer Times紙によれば、プノンペン深センを結ぶ新しい路線は、週に3便が運行される予定。

 

Cambodia AirportsのCEOであるEric Delobel氏は「我々の、より一層の中国系航空会社と乗客を惹き付けるための新路線開拓の努力は、今年見事に報いられてきた。カンボジアの関係省庁や旅行業界関係者は、今日の成功のために重要な役割を果たしてきた」と、当該機着陸後の祝賀会で述べた。

 

Delobel氏はカンボジアは現時点で、中国のほとんどの主要都市と結ばれているとも述べた。

 

さらにDelobel氏は、「カンボジアへの中国人旅行客の増加に向けた政府の努力により、より一層の中国系航空会社が、カンボジア市場への関心を示しており、新路線を増やそうとしている」と付け加えた。

 

Cambodia Airportsによると、今年の早い段階で、カンボジア国内の3つの国際空港からの中国人観光客の入国は、合計で100万人に到達したという。

 

現在、12の中国系航空会社が毎週155便のカンボジアへの直行便を運行しており、そのうち70便がプノンペン、82便がシェムリアップ、3便がシハヌークビルへの直行便となっている。

※ 調べた単語: aviation: 航空、handsomely: 立派に

 

<コメント>

まず、今年の前半にJC Airlineという中国系の航空会社が認可を受けて運行を開始しており、瞬く間に国内線、中国以外の国への国際線と、その事業を拡張してきているという状況を知っていると、タイトルの「Another」から想起されるイメージが変わってくると思います。

 

また、観光客のみではなく、不動産開発やインフラ開発(支援含む)、非現金決済プラットフォームの提携による中国人観光客の決済手段の簡素化など、様々な面で中国からの人とお金の流入を示すニュースが続いている状況も重要です。

そのほか、あまり知られていないようですが、カンボジア国内の銀行では人民元建ての銀行口座も開設できてしまったりします。

 

そうした背景を持ってこの記事を目にしたので、僕がツイートで添えたような感想になったというわけです。

 

 

これまでカンボジアは、欧米とも中国ともうまく距離をとりながら、両方からお金を引き出すという巧みな舵取りをしているように見えました。

 

しかし、今年の地方選で野党側が特に都市部で与党を上回る得票を上げた頃から、フンセン首相は明確に反政府(反与党)に対する締め付けを開始。政権に批判的な論調の多かったCambodia Daily紙を閉鎖に追い込んだり、野党を解党させて国会議員資格を剥奪したりと、なりふり構わずに来年の国政選挙の基盤作りに走っているように見えます。

 

これらの動きを非民主化であると非難し、EUは来年の選挙への一切の支援を止めると表明し、アメリカはカンボジア与党関係者へのビザの発給をしないという制裁を打ち出していますが、中国だけはインフラ支援も含めて官民揃って一層カンボジアに近づいているという構造になり、はっきりと親中外交へと舵が切られたと見られます。

 

 

カンボジア自身が国際経済や政治に与える影響は大きくないというのが現実ですが、中国の掲げる「一帯一路」に完全に組み込まれた形ですから、観光にとどまらない、今後の中国の影響拡大と、それに伴う様々な動きには注目しておく必要があると思います。

 

 

■ 編集後記

Twitterで気になった東南アジア関連ニュースをつぶやいているのですが、英語の勉強も兼ねて日本語訳しつつ、つらつらと意見などまとめてみようと思いました。

遠い昔の受験時代には英訳は随分やりましたが、久しぶりに日本語訳を作ろうと思うと、とても読みにくいですね(汗)

ちゃんとした日本語に訳す機会もなくなって久しいですが、少しばかり頑張ってみることにします。